SEO対策においてBingを意識することは重要なのか?

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SEO対策を行う上で、通常はYahoo!、Googleを意識したコンテンツ作成を行われていると思います。しかしBingを意識したコンテンツ作成を行っている方は少ないのではないでしょうか?Yahoo!、Googleに比べ圧倒的にシェア率の少ないBingですが、それでも現在のWindowsのデフォルトブラウザであるエッジではBingが標準検索エンジンに設定されています。また海外向けサービスを行っている企業の場合、国によってはBingのシェア率が高いケースもあります。
そこで今回はSEO対策においてBingを意識する必要があるのか、そして必要であるのならば何に気をつけるべきかについてご説明します。

目次

そもそもBingとは?

Bingとはマイクロソフトが提供している検索エンジンです。以前はMSNサーチ、Windows Liveサーチなどといった名称でしたので、そちらのほうが耳馴染みあるといったかたも多いのではないでしょうか。Bingとしてサービス提供を開始したのは2009年5月、日本語版の正式サービス開始は2010年7月ですのでまだ新しい検索エンジンといえます。
現在、日本のYahoo!はGoogleの検索エンジンを使用していますが、Bingは独自の検索エンジンを使用しています。そのためBingは同じキーワードで検索したとしても、Yahoo!、Googleとは異なる結果が表示されます。検索するキーワードにもよりますが、Bingの検索結果画面は、通常の検索結果に加え、ショッピングやオークション、知恵袋といったYahoo!関連サービスも検索結果に表示されるYahoo!ナレッジグラフが表示されるGoogleに比べ、見た目は非常にシンプルなのが特徴です。
Yahoo!やGoogleと検索結果が違うということで、BingでしっかりとSEO対策を行い上位表示されるようになれば、十分に流入が見込めるのではと思われるかもしれません。しかしYahoo!やGoogleよりもBing中心にSEO対策をする必要性は基本的にはないといえます。その理由は大きく2つあります。一つは独自の検索エンジンを使っているといっても、Yahoo!やGoogleと検索結果が大きく異なるといったことはないことです。
そしてもう一つの理由はシェア率の低さです。詳細はこちらで確認できますが、2016年11月~2017年11月の日本での検索エンジンシェア率はGoogleが68.73%、Yahoo!が27.13%、Bingは3.37%と大きな差があります。Yahoo!とGoogleは同じ検索エンジンのため、実質のGoogleシェア率は95.86%とほぼ100%に近くなります。これだけのシェア率の差を見れば、BingのSEO対策に力を入れるよりもGoogle対策を行ったほうが断然、効率的です。シェア率だけを見れば、Bingを意識したSEO対策の必要性はそれほどないといえます。

Bingを意識したSEO対策が必要とされるのはどういったケースか?

独自の検索エンジンを使ってはいるものの、Yahoo!やGoogleと検索結果にそれほど大きな差異はないこと。そしてBing自体の検索エンジンでのシェア率が3.37%しかないことなどから、Bingを意識したSEO対策はそれほど必要ないとご説明しました。しかし場合によってはBingを意識したSEO対策が必要となるケースもあります。それは自社のターゲットがBingを使う可能性が高い場合で、主に2つのケースが考えられます。

1.高齢者やパソコン初心者をターゲットとするケース

Bingのシェア率は3.37%しかないという結果が出ていますが、この3.37%に含まれているユーザーをターゲットにしている企業であれば、当然、Bingに上位表示されることが、サイト流入への近道となることは間違いありません。ではこの3.37%に含まれるユーザーとはどういったユーザーなのでしょう。それは高齢者やパソコン初心者です。もちろんそうではない場合もありますが、高齢者やパソコン初心者は購入したパソコンで最初に使用した検索エンジンをそのまま使い続ける可能性が高いといえます。
アメリカの調査会社、Net Applicationsによると2018年4月のOSシェア率(世界)はWindowsが88.42%となっています。そしてWindowsのデフォルトブラウザであるエッジの標準検索エンジンはBingです。つまりパソコンを購入するほとんどのかたは、意識してYahoo!やGoogleを使わない限り、最初に使用する検索エンジンはBingということになります。そのため高齢者やパソコン初心者をターゲットとする企業は、BingでのSEO対策も一定の効果があるといえます。

2.Bingのシェア率が高い国のユーザーをターゲットとするケース

前項でご紹介した各国の検索エンジンシェア率を見ると、アメリカや欧州では比較的Bingのシェア率が高くなっています。また日本ではYahoo!はGoogleの検索エンジンを使用していますが、アメリカのYahoo!はBingの検索エンジンを使用しています。そのためYahoo!のシェア率も加えるとそのシェア率はさらに高くなります。こうした国でサービスを展開している企業は、GoogleだけではなくBingを意識したSEO対策をすることで、さらなるサイト流入が見込めるようになるでしょう。


このようにシェア率が高くないとはいえ、その低いシェア率の中にいるユーザーをターゲットとしている企業、Bingのシェア率が高い国のユーザーをターゲットにしている企業にとって、Bingはサイト流入のための重要な検索エンジンであり、重要である以上、SEO対策はしっかりと行う必要があるのです。

Bingを意識したSEO対策とは?

ケースによってはBingを意識したSEO対策が必要であることはご理解いただけたと思います。しかし具体的にどういった対策をすればよいのでしょう。基本的にはYahoo!やGoogleで行っているSEO対策と大きな違いはありません。ユーザーが何を求め、何を必要としているのかを調べ、その答えとなるコンテンツを作成することが重要であることは、Bingであっても同様です。
もう一つポイントがあるとすれば、それはBingウェブマスターツールを導入することです。このBingウェブマスターツールとは、Googleサーチコンソールと同様に検索結果でのサイトのパフォーマンスを監視、管理できるツールです。具体的には検索に表示された回数、ユーザーがクリックした回数、検索数に対して実際にクリックされた割合、表示回数、クリック数の平均順位といったデータを得ることができます。
またGoogleサーチコンソールにはない機能として、隔週でサイトをスキャンし、SEO面で修正できる箇所を指摘してくれるSEOレポートやモバイルフレンドリーテスト、ページのモバイル対応度などモバイル対策も可能です。さらに指定したキーワードがBingでどの程度検索されているかを確認できるキーワード調査、URLを入力するとそのURLのサイトのSEO修正点を解析してくれるSEOアナライザーなどSEO対策をするうえで欠かすことのできないツールも数多くあり、BingでSEO対策をするのであれば必ず登録されることをおすすめします。

SEO対策の基本は同じ。Bingだけを意識する必要はない

BingはGoogle、Yahoo!と比較してシェア率は高くありません。しかし圧倒的なシェア率を誇るWindowsのデフォルトブラウザであるエッジの標準検索エンジンであることから、パソコン初心者や高齢者は特に意識せずにBingで検索を行う可能性が高いといえます。そのためそうしたユーザーをターゲットとしている場合は、Bingを無視することもできないでしょう。またBingのシェア率が高い国のユーザーをターゲットとしている企業も同様にBingを意識したSEO対策をすることでさらなるサイト流入が期待できます。
しかし実際にBingだけに対応する対策といえば、Bingウェブマスターツールを導入することぐらいで、後は通常のSEO対策をしていれば基本的には大きな問題はありません。そういった意味では、ユーザーにとって有益なコンテンツを提供するといった基本さえ守っていれば、ことさらにBingだけを意識する必要はないといっても過言ではないでしょう。