BtoBマーケティングで成果を挙げるための手法とは?

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個人ではなく企業間での取引で商売を行うBtoB企業にとって、マーケティングの相手は当然、企業になります。BtoB企業とBtoC企業。顧客が異なる以上、マーケティングの方法そのものも変わってきます。

現在の主なマーケティング手法は、従来からの電話営業やダイレクトメールといったオフラインと、メール、コンテンツ発信、ネット広告といったオンラインの大きく2つに分類できます。

今回は特にBtoBにしぼってマーケティングで成果をあげるためのオフラインとオンラインの手法について詳しくご紹介します。

目次

BtoBとBtoCマーケティングの違いとは?

BtoBとBtoCでもっとも違う点は、購入の意思決定スピードの違いです。一般的にBtoCのほうが購入に対する意思決定スピードが速いという特徴があります。なぜならBtoCの場合、購入する人と利用する人が同一であること、単価が低いことが多いからです。

これに対してBtoBの場合、購入に関する情報収集を行う購買担当者、実際にそれを利用する利用者、そして購入の決裁や承認を行う意思決定者がいます。またBtoBでは製品にもよりますが、数百万から数千万と高額のものもあり、多くの人間、部署の合意がなければ購入できないということもあり、BtoCに比べ意思決定のスピードは遅くなります。

意思決定のスピードに加えて違いとして挙げられるのは、BtoBとBtoCの違いは購入決定に至るプロセスです。BtoCの場合、購入者と利用者が同一のため、価格や機能、デザインなど以外に興味関心や感情が優先されるケースが少なくありません。

これに対してBtoBは、購入に至るまでに多くの人がかかわるため、誰かの興味関心や感情で購入が決定することはほぼありません。そして先述したように購入金額が高額になることが多いため、機能、仕様、価格などの製品自体の性能、それに対する費用対効果、アフターフォロー、サポート内容などがシビアに検討されます。さらに購入をする相手企業の信頼性も重要になります。社歴や実績、売上など会社の業績までも加味したうえで購入決定の判断を下します。

ほかにも違いはありますが、BtoBとBtoCは「購入の意思決定スピード」、「購入決定に至るプロセス」の2点が大きな違いだといえます。そのためBtoBとBtoCではマーケティングの手法も異なってくるのです。顧客が必要とする情報を、必要なタイミングで適切なメディアを使って行うことは変わりませんが、複数の人が見て合理的に判断が可能な情報を発信していくことが求められます。

BtoCのように顧客の感情に訴えかけることで衝動買いを促すといったことはできません。しかし逆に顧客の状況に応じて論理立てて適切な情報を発信していくことで、購入に結び付けられると考えれば、BtoCよりもマーケティングがしやすいとも言えます。

BtoBマーケティングのオフライン手法

BtoBとBtoCの違いがわかったところで次はBtoBマーケティングの手法についてご説明します。
冒頭で記載したとおり、マーケティングの手法は大きくオフラインとオンラインに分けられます。
具体的にはインターネットを使った手法がオンライン、使っていない手法がオフラインです。

まずはオフラインの手法を見ていきましょう。

電話営業

ターゲットとする企業に対して直接電話をかける、もしくはかかってきた電話に対して営業をかけるなど電話を使った営業手法です。具体的には、製品・サービスの説明をするアポイントを取る「テレアポ」、電話だけでクロージングまで行う「テレマーケティング」、問い合わせなどかかってきた電話に対して対応する「問い合わせ対応」、すでに顧客となっている相手に対してフォローや新規・追加提案を行う「カスタマーサポート」の4つがあります。

飛び込み営業

営業社員がアポイントを取らずに、ターゲットとする企業に直接訪問する手法です。アポイントがないため基本的には断られるケースが多いですが、電話やメールなど直接訪問しない営業手法に比べ、カタログやパンフレットだけは受け取ってもらえる確率は高い手法といえます。

ダイレクトメール

ターゲットとする企業に対して製品・サービスの情報をハガキや封書で送付する手法です。注文や購入を目的とせず情報だけを送るもの、注文や問い合わせを目的としたもの、企業名、製品・サービスの名称などを想起させることを目的としたものなど、目的に応じて内容を変えて送付します。

チラシ

ターゲットとする企業のポストなどに製品・サービスの情報を記載したチラシを投函する手法です。新聞の折り込み広告も含みます。ダイレクトメールと同様に、注文や問い合わせを目的としたものから、情報提供を目的としたものなど目的に応じて内容を変えます。

新聞雑誌広告

新聞や雑誌の紙面に広告を掲載する手法です。情報提供を目的としたものではなく、注文や問い合わせを目的としたもの、企業名、製品・サービスの名称などを想起させることを目的としたものが中心です。

BtoBマーケティングのオンライン手法

オンラインでのマーケティングが盛んに行われるようになったのは、インターネットが普及し始めた2000年代からです。
具体的な手法は次の通りです。

メールマーケティング

オフラインのダイレクトメールに近いマーケティング手法です。郵送するのに比べコストがかからない、配信システムによっては、開封率など効果検証ができるといったメリットがあります。

ネット広告

Yahoo!や新聞、雑誌サイトなどのメディアサイトを中心に掲載されるバナー広告、GoogleやMSNなどの検索サイトで検索キーワードに連動して表示されるリスティング広告のほか、アフェリエイト広告、SNS広告など目的や予算に応じてさまざまな種類の広告があります。

SNS

TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSで企業アカウントを作成し、そこで情報提供や問い合わせ対応を行います。一般的にはBtoCでよく使われる手法ですが、ブランドイメージの構築や製品・サービスの認知といった意味ではBtoBでも効果を発揮します。

コンテンツ発信

自社サイトやブログなどで、製品・サービスにかんするコンテンツを作成します。検索経由で訪問する顧客の検索キーワードなどを意識し、興味関心、検討、比較などさまざまな段階にいる顧客に対し、それに応じたコンテンツを発信していくことで、最終的には購入に結び付くように誘導していきます。コンテンツマーケティングの最大のメリットは、顧客にとって課題解決となる有益なコンテンツを作成できれば、広告やメールのように常に予算と手間をかけて顧客を集める必要がないことです。広告やメールは出すことを止めた時点で集客効果はゼロになりますが、有益なコンテンツはそういったリスクがありません。

それぞれの業種、ターゲットに合ったマーケティング手法を

今回、オンライン、オフラインに分けてBtoBのマーケティング手法についてご紹介しましたが、必ずしもどちらかが優れていて、どちらかが劣っているということはありません。これだけインターネットが普及した現在、オフラインよりもオンラインの方が効果も高いと思われるかもしれませんが、業種やターゲットによっては、まだまだオフラインのほうが高い効果を発揮する場合も少なくありません。

自社にとって最適なマーケティング手法とは、自社の都合ではなく、ターゲットとなる企業が活用しているメディアが何であるのかを知ることであり、そのメディアに合わせたマーケティング手法を取ることです。自分たちがどうしたいかではなく、顧客がどうして欲しいと考えているのかをしっかりと把握したうえで、最適なマーケティング手法を選択しましょう。

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