コンテンツマーケティングの将来はどうなる?
時間、場所、ベストなタイミングで提供できるように

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ユーザーにとって有益な情報をコンテンツとして提供することで、自社の製品やサービスに興味を持ってもらい、最終的には購入してもらえるように導いていくコンテンツマーケティング。現在はPCサイトでのコンテンツの評価が基本となっていますが、これがスマホでのコンテンツの評価へと変わりつつあります。

また音声検索の利用が増えてきたことでこれまでの検索行動とは違った動きも出始めているように、コンテンツが重要であることには変わりませんが、その見せ方はどんどんと進化を続けています。

そこで今回はコンテンツマーケティングの将来はどうなっていくのかについてご紹介します。

目次

モバイルファーストインデックスによりコンテンツの評価が変わる?

Googleは2018年3月27日、Googleウェブマスター向け公式ブログでモバイルファーストインデックスを開始することを発表しました。このモバイルファーストインデックスによって、検索結果の表示順位を決定する評価基準として、これまではPCサイトのコンテンツを使用していましたが、今後はモバイルサイトのコンテンツに切り替わるようになります。

このモバイルファーストインデックスが導入されるようになった背景には、2015年に日本を含む10か国でGoogleでのモバイル検索がPC検索の数を上回ったこと。そしてここ数年でのスマホの爆発的な普及、それに伴いインターネットを利用するデバイスがPCからモバイルへと移行していったことが挙げられます。

総務省が毎年発表している情報通信白書(平成29年度版)によると、スマホの所有率は2010年にはわずか9.7%でしたが、6年後の2016には約7倍の71.8%。タブレット端末も2010年から2016年で約5倍の34.4%に増えています。これに対しPCの所有率は2010年が85.8%で2016年は72.2%と10%以上減という結果が出ています。

そしてインターネットの利用端末を見ると、PCが58.6%、スマホが57.9%、タブレット型端末が23.6%となっています。つまりスマホとタブレット型端末を合わせると2016年の時点ですでにモバイルサイトのほうが多く閲覧されていることがわかります。

これは日本国内での調査結果ですが、デロイトトーマツコンサルティング合同会社が2017年12月に発表した「世界モバイル利用動向調査 2017」によると、この傾向は海外においてはさらに顕著です。日本の携帯電話所有率に含まれるスマホの割合は60%台ですが、イギリス、ドイツ、中国、オーストラリア、カナダはすべて70%を超えています。こうした結果を見ても、今後この傾向は益々顕著になる可能性が高いと予測できます。特にビジネスでサイト運営している企業は、早々にサイトをモバイル対応にしなければ生き残っていくことは難しくなります。

今やビジネスの場においてもスマホの利用率が上がっているため、BtoB企業であってもモバイルファーストインデックスを無視することはできません。サイトのモバイル対応が即、上位表示に結び付くわけではありませんが、逆にいえばモバイル対応をしていないサイトが検索結果の上位に表示されることは非常に困難になるといっても間違いないでしょう。

音声検索が変える検索行動

ここ最近、テレビCMでGoogleが音声検索のCMを頻繁に流しているのを見られたことがあるかたは多いと思います。また昨年、GoogleやLINE、Amazonから発売されたスマートスピーカーですが、2018年にはソニー、Appleなどさらにいくつかの企業から発売が予定されています。

2017年10月、KDDIが発表した「日本人の音声操作に対する意識調査2017」によると、人前での音声検索は恥ずかしいとの回答が70%を超えています。しかし半数近くが文字入力による情報検索は面倒だと実感していることから、慣れてさえしまえば今後は音声による検索も増えていくことが予測されます。スマホの音声検索やスマートスピーカーが普及すれば、これまで以上に検索の利用率が上がることは確実ですが、そうなった際、人々の検索行動に違いはでるのでしょうか?

文字入力による検索と音声検索、その違いはひとつもしくは複数のキーワードを使った検索から「明日の天気を教えて?」、「新宿にある美味しいイタリアンのお店は?」など会話に近い形式で検索が行われるようになることです。これによってコンテンツ作成側は、これまで以上にキーワードよりも文脈を意識したコンテンツ作成が求められるようになります。例えば「新宿、イタリアン」で最適化するのではなく「新宿にある美味しいイタリアンのお店は○○です。特におすすめは……」と言った形で、音声検索されることを意識した文章の構成が重要になります。

IoTによって実現するいつでもどこでも情報を入手できる時代

Internet of Things(モノのインターネット)の略称であるIoT。このIoTが普及すると、コンピューターやスマホといった通信端末だけではなく、スマートスピーカー、テレビ、カメラ、時計から自動車、冷蔵庫、電子レンジ、エアコンなどあらゆるモノが極小のセンサーやタグを通してインターネットにつながり、さまざまなデータのやり取りが可能になります。

例えば冷蔵庫の中身を外出先からでも確認できたり、その日の気分や体調によっておすすめのレシピを紹介したりする電子レンジなど、場合によってはこちらから検索しなくとも、欲しいタイミングで欲しい情報を入手できるようになります。検索する必要がなくなるということは、コンテンツマーケティングも不必要になるのではと思われるかたもいるかもしれません。しかし実際にはコンテンツの重要性はさらに増すことになります。

IoTにより、これまではインターネットのWebサイト上でしか入手できなかったさまざまなデータを入手することが可能になります。このデータを活用すれば、ターゲットに対してより適切なタイミングに適切な情報を発信していけます。逆にいえばよりターゲットに寄り添った情報発信が求められるようになるということですから、いかにユーザーにとって有益なコンテンツを作成できるかが、ユーザーに選ばれるための必須条件ともなるということです。

見せ方、伝え方が変わったとしてもコンテンツマーケティングの基本は不変

現在のPCサイトを中心にテキストや画像コンテンツを提供していく形のコンテンツマーケティングから、スマホサイトでのコンテンツが中心に。さらに家電やスマートスピーカー、スマートウォッチなどから情報入手することも当たり前となっていくことで、コンテンツの見せ方、伝え方は大きく変わっていくと予測できます。

しかし見せ方、伝え方が変わったとしても、そこで見せるもの、伝えるものの本質が変わるわけではありません。それは自分たちが見せたい、伝えたいものではなく、ユーザーが求めているものです。今以上にいつでもどこでも情報が入手できるようになっていくことでこの傾向は益々、顕著になります。なぜなら常に情報が入手できる状態で、ユーザーが求めない情報を発信している企業は今以上に速いスピードで嫌われてしまうからです。

企業が考えることは、ターゲットとしているユーザーがどういったメディアを使っているのかを知ること、どういったときに情報を求めているのかを知ること、そしてその状況に応じて最適な方法で最適な情報を提供するにはどういったコンテンツを用意するべきかです。これはこの先何十年と時が過ぎたとしても決して変わることはない不変のテーマといえるでしょう。

マーケティングオートメーションの活用