SEO対策で文字数は多い方が良い?

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SEO対策としてコンテンツは相応の文字数が良いという話は、担当者であれば一度は聞いたことがあると思います。しかしその情報をもとに実際に長大なコンテンツを作成してみたものの、思ったような効果が得られなかったという場合、それはどこに原因があるのでしょう?
そこで今回は、そもそもSEO対策で文字数は多い方が良いのか。もしそうでないのであれば文字数はどの程度にするべきなのかについて詳しくご紹介します。

目次

長文コンテンツが必ずしも上位表示されるわけではない理由

2016年7月8日、Googleハングアウトオンエアにおいて参加者に「SEO専門家に長文のコンテンツでなければGoogleにペナルティを受けると言われたが本当か?」といった質問を受けました。これに対しGoogleのジョン・ミューラー氏は、「私たちグーグルは、語数を数えるアルゴリズムは持っていない」と回答しています。
また「コンテンツはユーザーの検索意図を理解し、それに応える内容であることがもっとも重要であり、そのコンテンツの長さが仮に短くても、画像がなかったとしても、それによって順位が下がることはない。文字数を気にするよりも、ユーザーへのA/Bテストなどでコンテンツ品質を何重にもチェックすることを重視するべきだ」とも語っています。
もちろん長文コンテンツを書いても意味がないというわけではありません。それは検索するキーワードによってユーザーが必要とする情報量は異なるからです。場合によっては長文が必要な場合もありますし、逆に短文でも十分な場合もあります。そういった意味で単に文字数が多いコンテンツを書くことが、必ずしも上位表示につながるわけではないということです。
現在、日本ではYahoo!もGoogleの検索エンジンを採用しています。そのため自社のターゲットはGoogleではなくYahoo!を使っているから関係ないということにはなりません。つまりターゲットが誰であろうと、長文コンテンツを書けば上位表示されるといった考えは改める必要があるようです。

長文コンテンツが上位表示されるのは、ユーザーが求めているから

文字数が多いコンテンツが上位表示に直接、関係はしないといっても、実際に検索してみると文字数が多いコンテンツが上位表示されていると思われるかたは多いかもしれません。しかしそれは前項でもご説明したように、検索するキーワードによってユーザーが必要とする情報量が異なるからです。重要なことはどういったキーワードでもとにかく長文を書くことではなく、検索をするユーザーの背景を推察することです。それではいくつか実例を見てみましょう。

検索キーワード「キャンプ場 予約」

このキーワードで検索するユーザーは、キャンプに行くことをすでに決めている、もしくは検討している段階であると推察できます。現時点でキャンプに行くことを予定している日にキャンプ場の予約を取りたい、取れるかどうかを知りたいといった状況ではないでしょうか。
そしてこのキーワードで実際に検索してみると、上位に表示されるのは「キャンプ場予約サイトの検索画面」が2件、「ある地域にあるキャンプ場の今月の予約状況」が1件です。どのWebサイトも検索ページかカレンダーが表示されているだけで、コンテンツらしいコンテンツは一切ありません。これは検索するユーザーが、コンテンツではなく実際に予約が取れるのかどうかを知りたいと思っているからこその検索結果です。

検索キーワード「キャンプ 料理 初心者」

このキーワードで検索するユーザーは、すでにキャンプへ行くことは決まっている。しかし初めてのキャンプでどういった料理をつくればいいのかわからないため、事前にレシピを調べておきたいといった状況であると推察できます。そのためコンテンツは1~2品のレシピしか紹介されていないWebサイトより、多くのレシピが紹介されているWebサイトのほうがユーザーの求めているものとなります。実際に検索結果を見ても1位のWebサイトは33品、2位は12品、3位は25品が紹介されています。文字数も1位が約14,000字、2位と3位は約5,000字とどれも長文コンテンツです。

検索キーワード「iPhone 値段」

このキーワードで検索するユーザーは、現在、iPhoneの購入を考えていて、料金プランやどこで購入すれば一番安くなるのかを知りたい状況であると推察できます。実際の検索上位もキャリアの料金プラン、シミュレーションページと価格比較サイトの検索結果ページです。ユーザーが求めているのは値段であることから、それ以外の長文コンテンツが掲載されているWebサイトは上位には表示されません。

検索キーワード「iphone 写真 容量」

このキーワードで検索するユーザーは、iPhoneで写真を撮りすぎてしまったため、どうすれば写真を削除することなく空き容量をつくれるかを知りたくて検索していると推察できます。また同時に、あまりスマホの操作に慣れていないのではといったことも考えられます。こういった場合、ユーザーが求めているのは、できるだけ簡単でありつつも画像を使って詳しく説明しているWebサイトです。
実際の検索結果は1位と2位が約3,000字、3位が約2,000字です。文字数が少な過ぎては伝わりませんが、あまり長過ぎてもユーザーが理解できない可能性があるため、画像を多用し文字数も2,000~3,000字程度のWebサイトが上位表示されています。

適切な文字数を知るための方法とは?

では自社のWebサイトでコンテンツを作成しSEO対策をする際、検索するキーワードによってユーザーが必要とする適切な情報量を知るにはどうすればよいのでしょう。それは前項でも触れたようにユーザーがそのキーワードで検索をする背景を推察すること。そしてそのキーワードで自分でも検索してみることです。
例えば初めて行くキャンプで使える料理のレシピを知りたい場合について考えてみます。レシピの数が多いほうが良いことはもちろん、キャンプで便利な調理グッズも併せて紹介したほうが、ユーザーの求めるものに合致する可能性が高まります。
しかしこの推察だけでは具体的にどのぐらいのレシピを掲載すれば上位表示されるのかはわかりません。そこで実際に「キャンプ 料理 初心者」で検索します。上位表示されているWebサイトがどのぐらいのレシピを掲載しているのか、何文字でまとめているのかが確認でき、ユーザーが求めているもの、適切な情報量を知ることができます。ただし上位表示されているWebサイトよりレシピ数を増やしたり、文字数を多くしたりすれば、自社のWebサイトが上位表示されるということではありません。あくまでもユーザーが求める回答になる質の高いコンテンツを作成することがもっとも重要であり、文字数ばかりを意識して質が落ちてしまっては本末転倒です。

SEO対策は常にユーザーファーストであることが基本

検索結果の順位を上げるための対策として、文字数が多いコンテンツ必要だと考えるかたは多いのかもしれません。しかし今回ご説明したように、単に文字数が多いコンテンツを作成すれば必ず順位が上がるといったことはありません。検索キーワードによっては、ごく短いコンテンツであっても上位表示されることは十分にあり得ます。
SEO対策を行っているとついつい勘違いしてしまいがちですが、重要なことはGoogle検索エンジンではなく、実際に検索をするユーザーに向き合うことです。ユーザーが何を求めているのか、初心者向けなのか、熟練者向けなのか、それによって必要な文章量は変わってきます。SEO対策を行うのであれば、ユーザーが求めている情報を提供するという基本に立ち返り、常にユーザーファーストを意識することを忘れないようにしましょう。