コンテンツマーケティングを活性化させる動画コンテンツ

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Wi-Fiの普及、各キャリアによる月20~100GBの大容量プランの登場により、少しずつではありますが、いつでもどこでも動画や高画質画像といったリッチコンテンツを楽しめるようになりました。そしてそれに合わせて企業がさまざまな動画コンテンツを使い、販促、ブランディングを行っています。実際、オンラインビデオ総研が2017年11月に発表した国内動画広告の市場動向調査では、2017年の動画広告市場は1,374億円(前年対比163%)という結果も出ています。

そこで今回は、効果的な動画コンテンツ作成のポイントと、コンテンツマーケティングで動画コンテンツを活用するメリットを国内外の事例を交えご紹介します。

目次

コンテンツマーケティングで動画コンテンツを利用するメリット

コンテンツマーケティングで動画コンテンツを利用するメリットは、大きく分けて二つあります。一つはテキストや画像だけでは伝えきれない大量の情報を伝えることができること。そしてもう一つは、目に止まりやすく拡散性も高いことです。
アメリカの調査会社、Forrester ResearchのJames L. McQuivey博士が2014年4月に発表した研究結果によると、1分間の動画には180万語と同等の情報量があるとしています。もちろん日本語と英語の違いはありますが、どちらにしても180万語を1分間で読むことは到底不可能です。そのため特に言葉ではなかなか伝えづらいレシピや操作方法などを伝えたい場合は、テキストよりも動画のほうが圧倒的に短時間で伝わりやすくなります。
そしてTwitterやFacebookなど拡散性の高いSNSと相性が良いことも、動画コンテンツのメリットです。SNSは基本的にフロー型で情報が次々に流れていくため、ユーザーはページをスクロールして数多くの記事から読むか読まないかを瞬時に判断します。流し読みをした際に動画は目に止まりやすいことで、テキストよりも閲覧される確率が高いといえます。
ほかにも動画コンテンツは競合との差別化がしやすいというメリットもあります。動画広告市場が右肩上がりに伸びているとはいえ、ネット上ではまだまだテキストのコンテンツが中心です。もちろん単純に動画をつくれば誰でも見てくれるといった時期は過ぎました。しかし工夫を凝らしたものをつくることができれば、それだけで十分、競合との差別化を果たすことができます。

動画コンテンツはテキストコンテンツに比べ、予算、手間がかかると考えるかたは多いのではないでしょうか。確かに動画コンテンツは編集一つで面白いものもつまらなくなる可能性も高く、経験がないかたにとっては敷居が高いかもしれません。しかし近年、4K動画の撮影ができるスマホや初心者でも扱いやすいツールの進化により、以前に比べかなり低価格でプロ並みの動画を作成することも難しくなくなっています。慣れてしまえば、かえってテキストコンテンツをつくるよりも、手間がかからないかもしれません。

効果的な動画コンテンツ作成のポイント

慣れれば簡単に作成することが可能になるとはいえ、未経験でいきなり動画をつくろうとしても、何から始めたらよいか迷うこともあるでしょう。そこで簡単に効果的な動画コンテンツを作成するポイントをご紹介します。

1.誰に見せるのか、何を見せるのかを明確にする。

これは動画に限らずテキストコンテンツをつくるうえでも重要なポイントですが、誰に見せたいのか、何を見せたいのかを明確にしてつくらないと、誰にも伝わらないものになってしまいます。自社の顧客に見せたいのか、それとも潜在的な見込み顧客に見せたいのか。自社の商品を見せたいのか、自社のブランディングをしたいのかなど、それぞれを明確にすることからすべてが始まります。

2.短時間で簡潔に伝わる動画を作成する。

2017年12月、博報堂と博報堂DYグループ4社横断による動画統合ソリューション「hakuhodo.movie」が発表した「動画生活者®統合調査」の結果によると、「自分にとってとても関心があるネット動画広告」の視聴時間は平均33.3秒となっています。この結果からも動画コンテンツをつくる際は、内容にもよりますが、できるだけ30秒以内で伝わるようにつくることが重要といえます。

3.自社サイト、キャンペーンサイトなどの導線を作る。

最初に動画をつくる際には必ず目的を明確にするとしましたが、そのうえで動画を視聴したユーザーに何をしてもらいたいのかまでの設計図をつくります。商品販売が目的であればキャンペーンサイトに誘導する。自社のブランディングが目的であれば自社サイトに誘導するといったところまでを考えたうえで、動画をつくります。

4.効果測定をしっかりと行い、次の制作コンテンツやサイトの改善に役立てる。

初めての動画コンテンツで成功することはなかなか簡単ではありません。しかし失敗したからといってそのままにしていては、いつまでたっても目的を果たす動画をつくることはできません。公開した動画は必ず効果測定を行い、その結果を踏まえて次の動画制作へ向かうようにし、うまくPDCAを回していきます。

国内外の動画コンテンツ事例

それでは実際に国内外の動画コンテンツ事例をご紹介します。それぞれに工夫を凝らした動画になっていますので、自社の動画制作のヒントになるのではないでしょうか。

海外企業の動画コンテンツ事例

1.カスペルスキー

ウイルス対策ソフトの製造販売を行うカスペルスキーの動画コンテンツ。360 VR映像を使い、架空の世界を移動しつつ、サイバー攻撃との戦いを視覚化しています。7分以上の大作ですが、つくり込まれた物語性と自由に操作できる楽しさもあって飽きさせないつくりになっています。

カスペルスキー動画コンテンツはこちらから

2.Caterpillar

アメリカに本社を置く、トラック、ホイールローダー、水中掘削機、農業トラクタなどの製造販売を行うCaterpillar社の動画コンテンツ。自社の車や機械を動画で紹介しています。普段、なかなか見ることのできないもののため、企業紹介の動画にしては珍しくYouTubeには多くのコメントがついています。

Caterpillar動画コンテンツはこちらから

国内企業の動画コンテンツ事例

1.日清ヨーク

飲むヨーグルトなどのメーカー、日清ヨークの動画コンテンツ。主力商品のリニューアルプロモーションで、商品のコンセプトである「やさしさ」から家族への思いやりをテーマにウェブムービー「リニューアル家族」を製作しました。父親が突然YouTuberになるという今風の切り口で、家族の愛を再確認できる動画になっています。

日清ヨーク動画コンテンツはこちらから

2.Wantedly

ビジネスSNS、Wantedlyを運営するウォンテッドリー株式会社の動画コンテンツ。自社のSNSを通じて求人活動を行っている企業の事例をインタビュー動画にして公開しています。テキストにしてしまうとなかなか読まれにくい事例も、動画にすることで気軽に視聴できるようになっています。

Wantedly動画コンテンツはこちらから

アイデア次第で予算をかけずに効果的な動画コンテンツ作成も

短時間でインパクトの強い情報発信が可能な動画コンテンツ。テキストコンテンツと上手く組み合わせることでより効果的な自社のコンテンツマーケティングを推進実現できます。一般的に動画コンテンツというと予算がかかるのではと思われるかもしれません。しかし事例でもご紹介したように自社商品の紹介やインタビュー動画などアイデア次第でそれほど多額の予算をかけずとも制作することも可能です。もちろん必ず自社でつくらないといけないわけではありません。予算、手間を考え外部に依頼したほうが良いものがつくれる場合は、外部への依頼も検討することをおすすめします。
いつでもどこでも動画コンテンツを楽しめるようになった今だからこそ、誰に伝えたいか、何を伝えたいかといったことを中心にして、動画コンテンツを使ったコンテンツマーケティングを検討されてみてはいかがでしょう。

マーケティングオートメーションの活用