ロングテールを意識したコンテンツ作成とは?

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ロングテールSEOというと、もっぱら楽天やAmazonなどの大規模サイトでの手法と思われる方がいらっしゃるかもしれません。しかしこのロングテールSEOは中小規模サイトでも大きな効果を発揮する手法です。そこで今回はそもそもロングテールとはどういったものなのか、中小規模のサイトでもロングテールSEOが効果的な理由、実践方法などをご紹介します。

目次

ロングテール SEO とは?

検索エンジン経由で自社のWebサイトに訪問してくるユーザーに向けて行うSEO。ただ一口にSEOといってもさまざまな種類があり、ロングテールSEOもその中の一つで、より明確で具体的な目的を持っているユーザーをターゲットとしたSEOです。
ロングテールSEOのロングテールとは、下図のように検索数の多いキーワードから少ないキーワードをグラフにした際、検索数の少ないキーワードが長い尻尾のように見えることから名付けられたものです。そして検索数の多い「車」、「家電」といったような大きなカテゴリを表すキーワードをビッグキーワード。検索数の少ない長い尻尾の部分、「4WD」、「SUV」や「4Kテレビ」、「ドラム式洗濯機」といった細かいカテゴリを表すキーワードをスモールキーワードと呼びます。
ビッグキーワードで検索するユーザーは、そのカテゴリにかんして興味を持った段階であり、まだ商品購入や資料請求といった具体的な目的はないことがほとんどです。逆にスモールキーワードや複合キーワードで検索するユーザーは、すでに比較検討、もしくは購入意欲を持っている可能性が高くなります。そうしたユーザーを集客することは、まだ具体的な目的がないユーザーに比べ、商品購入や資料請求につなげやすい、つまり高いコンバージョン率が見込めるということです。このユーザーをターゲットにした施策をロングテールSEOといいます。

ロングテール SEO のメリットとデメリット

より明確で具体的な目的を持ったユーザーをターゲットにするロングテールSEO。この施策を行ううえでのメリットとデメリットは次のようなものがあります。

▼ロングテールSEOのメリット

1.ビッグキーワードに比べて競合が少ない

例えば「家電」で検索すると約5千2百万サイトがヒットします。しかし「ドラム式洗濯機」で検索するとヒットするのは約440万サイトと、約11分の1です。さらに「ドラム式洗濯機 コンパクト」という複合キーワードになると、ヒットするのは約95万サイトで「家電」の約55分の1です。ヒットするサイトが少なくなるということは、競合が少ないということですから、結果として上位表示される確率も上がります。

2.中小企業であっても大企業のWebサイトよりも上位表示される可能性が高まる

ビッグキーワードで集客をすれば、競合が多くなるうえ、どうしても認知度の高い大企業に目が行きます。しかしほかにはない強みがあることが前提とはなりますが、スモールキーワードであれば、大企業のWebサイトよりも上位表示される可能性が高まります。これこそがロングテールSEOが中小企業にこそ向いている理由です。

3.自社の商品、サービスを求めているユーザーを集客しやすくなる

商品の細かい特徴、種類で検索するユーザーは、目的は明確であり購入意欲は高いものの、具体的な商品名で指名検索するまでには至っていません。このユーザーをしっかりと集客するには、それに合わせたコンテンツを作成するロングテールSEOが最適な施策です。

4.オリジナリティの高いコンテンツ作成ができ、サイトの質が上がる

ロングテールを意識してコンテンツを作成していくと、ほかにはないオリジナリティの高いコンテンツが増えます。またコンテンツが増えることで内部リンクも増えることになり、結果としてWebサイトの評価も高まることが期待できます。

▼ロングテールSEOのデメリット

1.コンテンツ作成の手間がかかる

ロングテールSEOを成功させるには、単純にスモールキーワードを含めたコンテンツを増やせばいいわけではありません。アクセス解析やキーワードツールを使いユーザーの行動を予測し、ユーザーの疑問、課題を解決するコンテンツを作成する必要があります。そのため非常に手間と時間を要することになります。

2.ページを増やし過ぎると管理が煩雑になる

オリジナリティがあり、クオリティの高いページが増えることは、ターゲットを集客するうえで非常に大きな武器となります。しかしページが増えていくと動線が複雑になり訪問したユーザーが目的のページに辿り着けなくなるといった弊害も生まれやすくなります。また特定の領域に固執してしまい、似通ったコンテンツが増えてしまうと、ユーザーから中身が薄い、質が低いと判断され、結果として検索エンジンの評価が下がってしまう可能性も高まります。

ロングテール SEO の実施方法

ロングテールSEOを実際に行ううえで最も重要なことは、Webサイトの階層構造を予め設定することです。闇雲にコンテンツを作成して後からWebサイトに組み込んでいこうとすると、動線が複雑になり、Webサイト自体の評価が下がることになります。そこでまずはWebサイトの設計図を作成し、それに沿ってコンテンツを増やしていきます。
次に重要なのがキーワードの選定です。いかに購買意欲の高いユーザーが使用するキーワードを見つけられるかが大きなポイントになります。そこで効果的なスモールキーワードを見つける際に役に立つツールをご紹介します。

Googleキーワードプランナー

自分たちが集客したいキーワードが実際にどのぐらい検索されているかを知ることができます。このツールはGoogleアドワーズのアカウントがあれば誰でも利用可能です。選択のポイントは検索ボリュームが少ないにもかかわらず、推奨入札単価が高いキーワードを見つけることです。

Googleオートコンプリート

Googleの検索窓にキーワードを入力した際、そのキーワードに関連するキーワードが表示される機能です。これを使うと複合キーワードを見つけやすくなります。



これらのツールを使いキーワードを選定したら、そのキーワードを使ったコンテンツを作成します。オリジナリティのあるコンテンツを作成するには、そのキーワード上位表示されるサイトを確認し、記載されていない情報を書く、ユーザーの疑問、課題を解決できる情報を書くようにすることです。またコンテンツを作成したものの、思ったような集客ができていない場合は、次のツールを使って確認します。

Googleサーチコンソール

実際に選定したキーワードや、そのキーワードを使って作成したコンテンツの検索順位やクリック数を確認できます。スモールキーワードでコンテンツを作成したものの、思うような集客ができていない場合にキーワードの再選定をするのに便利です。



キーワードプランナー、オートコンプリートを使い、キーワードを選定しコンテンツを作成する。そこ効果検証をサーチコンソールで行う。これを繰り返していくことで、オリジナリティがあり、クオリティの高いコンテンツが増えていきます。

中小規模のWebサイトだからこそロングテールを重視したコンテンツ作成を

ビッグキーワードを使ったコンテンツ作成は競合も多く、その中で検索上位表示を実現することは簡単ではありません。またビッグキーワードになればなるほど、元々の認知度によって選択されてしまう可能性が高くなります。そのためそれほど知名度の高くない中小規模のWebサイトでは、ユーザーに選択されることは難しいでしょう。
そこで重要になってくるのがロングテールSEOです。ユーザーの課題をしっかりと把握し、その鍵となるキーワードを吟味したコンテンツを作成することで、ユーザーに選択されるWebサイトが実現します。そういった意味でも中小規模のWebサイトだからこそロングテールを重視したコンテンツ作成を目指しましょう。