日本語ドメインはSEOに効果あり?そのメリットと導入時の注意点

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Webサイトをより効果的に営業やマーケティング活動に生かすためには、SEO対策が欠かせません。検索結果の上位表示を狙うためにはさまざまな施策がありますが、そのひとつになりうるとして、最近注目を集めているものが日本語ドメインです。実際のところ、日本語ドメインは本当にSEO効果が期待できるのでしょうか。

導入のメリットやその注意点などと合わせ、日本語ドメインについて包括的に紹介します。

目次

日本語ドメインってどんなもの?

150万件を超えるドメインが登録されている

日本語ドメインとは「日本語.com」「マーケティング.jp」などのように、URLの一部を日本語で表記できるドメインのことを指します。もともとドメインに使用できる文字は英数字とハイフンのみでしたが、インターネットが世界的に普及していく中で「IDN(Internationalized Domain Name:国際化ドメイン名)」という技術が生み出され、非英語圏のユーザーが自国の言語をドメイン名に使用することが可能になりました。

日本では2001年2月にJPRS(日本レジストリサービス)が日本語ドメインの登録サービスを開始したことで一般的になり、多くのユーザーが使用するようになりました。JPRSの調査によると2018年4月現在、150万件を超えるドメインが登録されています。

【参考】JPドメイン名の登録数(累計)の推移 | JPRS

日本語の文字列はピュニコードに変換される

日本語ドメインを運用するようになると、ピュニコード(Punycode)と呼ばれる文字の変換方式を意識しておく必要があります。

現在のところ、日本語ドメイン名では漢字や平仮名、片仮名に加えて「・ー々ゝゞヽヾ〃仝〆〇」など一部の全角記号が使用できるようになっていますが、世界中の人々が利用するインターネット上(DNS内)では日本語の文字列をそのまま使うことはできません。そのため、ピュニコードで日本語の文字列を英数字とハイフンだけの文字列に変換して使用することになります。

例えば上記の2つは「日本語.com」というドメインを日本語表記、ピュニコード変換したもので、見た目は違いますが同じドメインを表しています。現在一般的に使用されているほとんどのブラウザは日本語ドメインに対応しているため、Web閲覧時にピュニコードを意識する必要はありません。ただ、日本語ドメインは運用の際にピュニコードにまつわる注意点もあるため、文字列が変換されていることは理解しておく必要があります(注意点は後述させていただきます)。

ドメインを日本語で表示するメリット

日本語ドメインを使用することで、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。代表的なものをご紹介しましょう。

視認性が高く注目してもらいやすい

ドメインに日本語を使用することの最も大きなメリットは、視認性が高いことにあります。これについては説明するよりも、まず例を見ていただいたほうが分かりやすいでしょう。

例えば「日本語.com」というドメインには英数字を使用した「nihongo.com」「japanese.com」などの表記も考えられますが、日本語を使用したドメインのほうが明らかに視認性が高く、大きなインパクトがあります。ぱっと見ただけでも覚えやすく、さらに英数字のドメインに比べて綴りの間違いも起こりにくいのは大きなメリットといえるでしょう。

サイト内容が分かりやすい

視認性の高さにも関係がありますが、ひと目でサイト内容がイメージしやすいのも大きなメリットのひとつです。先ほどの「日本語.com」を例に取ってみた場合、英数字表記の「nihongo.com」「japanese.com」も同じ「日本語」を表す言葉ですが、よりサイトの内容をイメージしやすいのは日本語表記のドメインではないでしょうか。

そのため、例えば検索結果の一覧を見ているような状況ではユーザーがサイトを見つけやすく、クリックしてもらいやすいなどのメリットが考えられます。

好みのドメインを取得しやすい

日本語ドメインはすでに150万件が登録済みですが、英数字のドメインに比べるとまだまだ少ないため、好みのドメインが取得しやすいのもメリットのひとつです。例えば「caffe」や「fashon」などのようなシンプルな一般名詞を用いたドメインを英数字で取得するのは至難の業ですが、日本語ドメインであれば文字列によってはまだ取得できる可能性があります。

もしもシンプルなドメインを取得したい場合や、すでに決めているサイト名が英数字で取得できなかった場合などは、日本語ドメインを検討する価値があります。

ドメインの日本語化はSEO対策につながる?

一部ではSEO対策に効果的とも言われている日本語ドメイン。実際のところ、どの程度の効果が期待できるのでしょうか?

ドメインはできるだけ検索されるキーワードと一致していたほうがいいとされています。日本人ユーザーをターゲットとしている場合、検索されるワードは通常日本語であると考えられます。URLとキーワードが一致しやすいという意味では、SEO効果があると考えることができるでしょう。

またSEOとは少し異なりますが、前述のように視認性が高くサイト内容をイメージしやすい日本語ドメインは、ユーザーの目にもとまりやすいため表示順位に関わらずクリックされやすいのも大きなメリット。こうした理由から、SEOもしくは集客に一定の効果があると言うことはできそうです。

ただ、現在のところドメインが日本語であること自体がランキングに影響を及ぼすという事実はないため、あまり過度な期待はしなsいほうがいいかもしれません。
一般的に知られている通り、Googleはコンテンツの質や使い勝手など、ユーザーにとって役に立つサイトであるかどうかを基準にしてランキングを決定します。この原則に則ってみると、ドメインが日本語か英数字であるかはあまり重要ではないことが分かるのではないでしょうか。
そのため、日本語ドメインはSEO効果を期待するというよりはユーザーの視認性を高め、覚えてもらいやすくするための方法と位置づけるのが適切といえそうです。

取得前に知っておきたい、日本語ドメインの注意点

視認性が高く、多少のSEO効果も期待できるなどメリットの多い日本語ドメイン。しかし、導入にはいくつか注意するべきポイントもあります。

ブラウザ以外ではピュニコードに変換されてしまう

日本語の文字列はDNS上では使用できないため、内部的にはピュニコードで変換したものが使用されます。ブラウザ上では日本語で表示されているため問題ないのですが、メールアドレスやシェアされるURL、メール本文のURLなど、ブラウザ以外では全てピュニコードに変換されてしまうことに注意する必要があります。

上記は「日本語.com」というドメインをピュニコードで変換したものですが、メールアドレス、URLいずれも全く異なる文字列になってしまいます。事情を知らない人からすればスパムのようにも見えてしまうため、ドメインの運用には十分注意する必要があります。

日本でしか十分には利用できない

当然のことですが、日本語ドメインは日本語を理解しない外国人にとっては非常に使いにくいアドレスになってしまいます。海外のパソコンからでもOSの設定を変更すれば日本語を打ち込むことは可能ですが、そこまでしてWebサイトを見てくれる人が期待効果に沿えるほどの人数がいるかは疑問が残ります。

また、日本人の友人が外国人にアドレスを教えることも難しくなってしまうため、事実上、日本語を理解しないユーザーは閲覧できないことになってしまいます。将来的に外国人をターゲットにする可能性がある場合はもちろん避けるべきですが、そうでなくても、日本語ドメインはユーザーを大幅に制限してしまう可能性があることを十分に認識しておく必要があります。

注意点を認識し、英数字ドメインと使い分けると効果的

日本語ドメインはすでに一般的に知られているため、使われ始めた当初ほどのインパクトは見込めませんが、それでも英数字のドメインに比べると認識しやすく、覚えやすいというメリットがあります。日本語を理解するユーザーをターゲットにするのであれば集客効果も期待できるため、状況に応じて英数字ドメインと使い分けるのが効果的といえそうです。