BtoBマーケティングでは、認知拡大からリード獲得・育成、商談化、受注、既存顧客との関係強化まで、目的に応じて施策を使い分ける必要があります。しかし選択肢が多いため、「自社は何から始めるべきか」「成果につながる施策はどれか」と迷う担当者も多いでしょう。
本記事では、BtoBマーケティング施策27選を目的別に整理し、特徴や活用方法を解説します。施策の比較ポイントや成果につなげるコツも紹介するので、自社の課題に合った戦略を設計する際にもぜひお役立てください。
そもそもBtoBマーケティングとは?

BtoBマーケティングとは、企業が企業に対して商品・サービスを販売するためのマーケティング活動です。BtoCと比べて検討期間が長く、意思決定に複数の担当者が関わりやすい点が特徴です。
そのため認知を広げるだけでなく、見込み客の獲得・育成から商談、受注後の関係構築までを一連の流れとして設計する必要があります。まずは基本的な考え方と全体像、BtoCとの違いを押さえましょう。
BtoBマーケティングの概要
BtoBマーケティングは、法人顧客との接点をつくり、検討を後押しして商談や受注につなげるための活動です。対象となる商材には、業務システムやSaaS、コンサルティング、製造設備、法人向けサービスなどがあります。
BtoBでは、商品を知った担当者がその場で購入を決めるとは限りません。情報収集を行う担当者、導入を検討する部門、予算を承認する上司、最終決裁者など、複数人が意思決定に関わるケースがあります。
比較検討にも時間がかかるため、継続的な情報提供によって「自社の課題を解決できる」と理解してもらうことが大切です。
例えばSEOや広告、展示会などで接点を増やし、ホワイトペーパーやメール、ウェビナーなどで関心を高め、営業へつなぐ仕組みを整えます。受注後も関係を維持し、継続利用や追加提案につなげる視点が必要です。
BtoBマーケティングの主な流れ
BtoBマーケティングでは、見込み客との接点をつくって終わりではなく、商談・受注までを見据えて施策をつなげます。主な流れは以下の5段階です。
- 市場分析と戦略立案:市場規模や競合、顧客ニーズを調べ、ターゲットや提供価値を明確にする
- リードジェネレーション:SEO、広告、展示会などを通じて見込み客を獲得する
- リードナーチャリング:メールやホワイトペーパー、ウェビナーなどで情報を届け、検討度を高める
- 商談化:行動履歴や課題、検討状況を踏まえ、営業担当へ適切なタイミングで引き渡す
- 効果測定・改善:リード獲得数だけでなく、商談化率や受注率、施策別の成果を確認して改善する
各段階を分断せず、前後の施策を連動させることがポイントです。リード数が増えても商談化率が低ければ、獲得チャネルや育成施策、営業への引き渡し条件を見直す必要があります。
BtoCマーケティングとの違い
BtoBとBtoCでは、顧客だけでなく、購入までのプロセスも異なります。主な違いは以下の通りです。
| 比較項目 | BtoB | BtoC |
| 顧客 | 企業・組織 | 個人 |
| 意思決定者 | 複数人になりやすい | 本人が中心 |
| 検討期間 | 長くなりやすい | 比較的短い |
| 購入判断 | 費用対効果・業務課題との適合性など | 好み・価格・利便性など |
| 商談 | 営業担当が関与しやすい | ECなどで完結することも多い |
BtoBでは、担当者だけで契約を決められず、上司や関連部署の承認が必要になることがあります。導入効果や費用対効果、他社事例など、社内説明に使える情報を用意することが大切です。営業部門とも顧客情報を共有し、検討状況に合った提案へつなげましょう。
BtoBマーケティング施策27選【目的別の一覧】

BtoBマーケティング施策は、思いついたものから実行するよりも、どのフェーズの課題を解消したいかで整理したほうが選びやすくなります。
ここでは27施策を「認知拡大」「リード獲得/育成」「商談数増加」「受注率向上」「既存顧客との関係強化」の5つに分けて一覧化しました。
即効性と費用はあくまで目安ですが、優先順位を付ける際の判断材料になります。まずは自社のボトルネックがどこにあるかを確認しながらご覧ください。
- 即効性:成果が表れやすいまでの早さの目安
- 費用:制作費、出稿費、運用負荷を含めたおおよその目安
| 目的 | 施策名 | 即効性 | 費用 |
| 認知拡大 | SEO | 低 | 低〜中 |
| 認知拡大 | オンライン広告(リスティング・ディスプレイ) | 高 | 中〜高 |
| 認知拡大 | オフライン広告(雑誌広告・屋外広告) | 中 | 高 |
| 認知拡大 | SNSマーケティング | 中 | 低〜中 |
| 認知拡大 | プレスリリース | 中〜高 | 低 |
| 認知拡大 | 展示会・イベント出展 | 高 | 高 |
| 認知拡大 | ウェビナー開催 | 中〜高 | 低〜中 |
| 認知拡大 | テレアポ | 高 | 中 |
| リード獲得/育成 | ホワイトペーパー | 中 | 中 |
| リード獲得/育成 | 動画コンテンツ配信 | 中 | 中〜高 |
| リード獲得/育成 | オウンドメディア | 低 | 中〜高 |
| リード獲得/育成 | LP(ランディングページ) | 高 | 中 |
| リード獲得/育成 | メールマガジン配信 | 中 | 低 |
| リード獲得/育成 | 無料診断・シミュレーション | 中 | 中〜高 |
| 商談数増加 | 比較コンテンツの制作 | 中 | 低〜中 |
| 商談数増加 | チャットボットの導入 | 中 | 中 |
| 商談数増加 | 製品デモ/サンプル配布 | 高 | 中〜高 |
| 商談数増加 | 個別相談会の実施 | 高 | 中 |
| 商談数増加 | リードスコアリングの実施 | 中 | 低〜中 |
| 受注率向上 | 事例コンテンツの制作(お客様の声など) | 中 | 低〜中 |
| 受注率向上 | MAツールの導入 | 中 | 中〜高 |
| 受注率向上 | 失注理由の分類と改善 | 中 | 低 |
| 受注率向上 | 営業部門への引き渡しルールを明文化 | 中 | 低 |
| 既存顧客との関係強化 | オンボーディングの標準化 | 中 | 低〜中 |
| 既存顧客との関係強化 | カスタマーサクセス | 中 | 中 |
| 既存顧客との関係強化 | 顧客向け限定セミナー・勉強会 | 中 | 低〜中 |
| 既存顧客との関係強化 | アップセル・クロスセルの強化 | 中〜高 | 低〜中 |
上流の認知施策だけを増やしても、商談化や受注率に課題が残っていれば売上にはつながりにくくなります。
逆に、既存顧客への施策が弱いと、せっかく受注しても継続率やLTVが伸びません。BtoBマーケティングでは、各施策を点で見るのではなく、どの段階を強化すべきかという流れで捉えることが大切です。次のパートから、目的別に27施策を詳しく見ていきます。
認知を拡大したい企業向けマーケ施策【8選】

BtoBマーケティングで認知を広げるには、見込み顧客との最初の接点を増やし、自社や商品・サービスを知ってもらうことが出発点です。
検索、広告、SNS、イベントなど、接点となるチャネルは複数あります。ターゲットがどこで情報収集しているかを踏まえ、短期的に届く施策と中長期で資産になる施策を組み合わせると、認知の広がり方に厚みが出ます。
ここでは、認知拡大に向いている代表的な施策を紹介します。
SEO
SEOは、Googleなどの検索エンジンで自社サイトを上位表示させ、見込み顧客との接点を増やす施策です。BtoBでは「業界名+課題」「サービス比較」「導入方法」など、情報収集段階で検索されるキーワードを狙うことで、まだ自社を知らない層にもアプローチできます。
成果を出すには、検索ボリュームだけでキーワードを選ばず、顧客の課題や検討フェーズに合わせた記事の設計が欠かせません。
検索意図に合う情報を継続的に蓄積すれば、広告費をかけ続けなくても流入を獲得できる点も強みです。一方、順位が安定するまでには時間がかかるため、短期施策と並行して取り組むと進めやすくなります。
また、アクセス数だけで評価せず、資料請求や問い合わせにつながる導線まで設計しておくことも必要です。記事内に関連サービスやホワイトペーパーへの導線を置けば、認知獲得からリード獲得へつなげやすくなるでしょう。
オンライン広告(リスティング・ディスプレイ)
オンライン広告は、検索結果やWebサイト、アプリなどに広告を配信し、短期間で認知や流入を増やせる施策です。代表的なのが、検索キーワードに連動して表示するリスティング広告と、Webサイトの広告枠に表示するディスプレイ広告です。
リスティング広告は、すでに課題やニーズを自覚して検索している層へ届きやすく、ディスプレイ広告は潜在層への認知拡大に向いています。BtoBでは、業種、役職、企業規模、閲覧履歴などの条件を活用し、届けたい相手を絞り込むことが重要です。費用を投じればすぐ配信を始められる反面、停止すると流入も止まりやすいため、CPAや商談化率まで確認しながら運用を改善します。
認知目的であっても、表示回数やクリック数だけを見るのは避けたいところです。広告経由で獲得したリードの質や、その後の商談化まで追うと、どの媒体・訴求へ予算を寄せるべきか判断しやすくなります。
オフライン広告(雑誌広告・屋外広告)
オフライン広告は、雑誌、新聞、交通広告、看板、デジタルサイネージなど、インターネット外の媒体を使って認知を広げる施策です。業界専門誌やビジネス街の屋外広告など、ターゲットが接触しやすい場所を選べば、特定層への訴求力を高められます。
Web広告のようにクリック数を直接追いにくい一方、繰り返し目に触れることで企業名やサービス名を覚えてもらいやすい点が特徴です。
BtoBでは、展示会の開催時期に会場周辺へ広告を出す、専門誌広告から専用LPへ誘導するなど、オンライン施策と組み合わせる方法もあります。QRコードや専用URLを設ければ、流入や問い合わせへの貢献度も把握しやすくなるでしょう。
掲載場所や媒体の知名度だけで決めるのではなく、「誰に、どの場面で見てもらいたいか」を先に定めることがポイントです。商圏や業界が明確な企業ほど、対象を絞った媒体選定がしやすくなります。
SNSマーケティング
SNSマーケティングは、X、LinkedIn、Facebook、Instagram、YouTubeなどを活用し、企業やサービスの認知を広げる施策です。広告だけでなく、自社アカウントから継続的に情報発信することで、まだ商談には至っていない層とも接点を持てます。
BtoBでは、商品紹介だけを繰り返すより、業界動向、ノウハウ、調査データ、導入事例、担当者の知見など、仕事に役立つ情報を発信すると関心を得やすいです。投稿が拡散されれば、自社を知らなかった層にも届く可能性があります。
ただし媒体ごとに利用者層や情報の受け取られ方が異なるため、ターゲットに合うSNSを選び、投稿テーマや更新頻度を決めて継続することが大切です。
フォロワー数だけを追うのではなく、プロフィールへの遷移、Webサイトへの流入、資料請求なども確認すると、認知が次の行動につながっているか判断できます。
プレスリリース
プレスリリースは、新商品・新サービスの提供開始や調査結果、イベント開催、業務提携などの情報をメディアへ発信し、認知拡大を狙う施策です。
ニュース性のある内容であれば、Webメディアや新聞、業界専門誌などに取り上げられ、自社だけでは接点を持ちにくい層へ情報が届く可能性があります。
BtoBでは、単なるサービス紹介よりも「業界の課題をどう解決するのか」「どのような新規性があるのか」を明確にすると、内容を理解してもらいやすくなります。独自調査や顧客データを活用した市場レポートも、メディア掲載のきっかけをつくりやすいテーマです。
配信後は、掲載件数だけで評価せず、指名検索数やWebサイトへの流入、問い合わせ数なども確認しましょう。SNSやオウンドメディアで二次発信すれば、プレスリリースを一度きりの告知で終わらせず、継続的な情報発信にも活用できます。
展示会・イベント出展
展示会や業界イベントへの出展は、自社の商品・サービスを来場者へ直接紹介できる施策です。特定テーマに関心を持つ企業担当者が集まるため、短期間で多くの見込み顧客と接点を持ちやすく、認知拡大とリード獲得を同時に狙えます。
成果を高めるには、出展そのものを目的にせず、誰に何を伝えるかを事前に決めておくことが重要です。ブースでは、短時間でも特徴や導入効果が伝わる説明を用意し、資料配布やデモ、相談受付など次の行動につながる導線を整えます。名刺交換数だけを追うと、その後の商談化につながらないケースもあります。
イベント終了後は、来場者の課題や関心度に応じて優先順位を付け、メールや電話で早めにフォローしましょう。獲得したリードを営業部門へ共有し、商談化まで追跡することで、出展費用に対する成果も判断しやすくなります。
ウェビナー開催
ウェビナーは、オンライン上でセミナーや講演を開催し、見込み顧客との接点をつくる施策です。会場を用意する必要がなく、地域を問わず参加者を集められるため、BtoBマーケティングでも活用しやすい方法といえます。
テーマを決める際は、自社商品の説明を中心にするのではなく、ターゲットが抱えている課題や関心の高いテーマを軸にすると参加につながりやすくなります。業界トレンド、成功事例、業務改善ノウハウなどを扱い、その中で自社サービスの活用方法を自然に示す構成が有効です。
開催後は、参加の有無やアンケート内容、視聴時間などを確認し、関心度に応じてフォローします。録画データをオンデマンド配信したり、内容を記事やホワイトペーパーへ転用したりすれば、一度の開催で終わらず、継続的な認知獲得にもつなげられます。
テレアポ
テレアポは、企業へ電話をかけて商品・サービスを紹介し、担当者との接点や商談機会をつくる施策です。見込み顧客からの問い合わせを待つ施策とは異なり、自社から能動的にアプローチできるため、短期間で認知を広げたい場合にも活用できます。
一方で、対象企業を絞らずに架電すると、担当者につながらないだけでなく、自社への印象を損ねる恐れがあります。業種、企業規模、地域、導入しているシステムなどから対象を選定し、相手の課題を想定したトークを準備することが大切です。
電話で契約まで進めようとせず、資料送付やオンライン商談など次の接点を獲得することを目標にすると進めやすくなります。
架電数だけではなく、接続率、アポイント率、商談化率まで確認し、リストやトーク内容を改善しましょう。Webサイトの閲覧履歴や資料請求データと組み合わせれば、関心度の高い企業へ優先的にアプローチできます。
リード獲得/育成に力を入れたい企業向けマーケ施策【6選】

認知を獲得できても、見込み顧客の情報を取得し、継続的に接点を持てなければ商談にはつながりません。BtoBでは検討期間が長くなりやすいため、すぐに購入しない層とも関係を保ち、課題や関心に合わせて情報を届けることが必要です。
ホワイトペーパーやオウンドメディアで接点をつくり、メールなどで検討度を高めるなど、リード獲得と育成を連動させましょう。ここでは、代表的な6施策を紹介します。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、業務に役立つノウハウや調査データ、事例などを資料にまとめ、ダウンロードと引き換えに企業名やメールアドレスなどの情報を取得する施策です。Webサイトを訪れたものの、すぐに問い合わせるほど検討度が高くない層との接点づくりに向いています。
テーマは、自社の商品説明に寄せすぎず、ターゲットが抱える課題を起点に考えましょう。「業務改善チェックリスト」「導入サービス比較表」「成功事例集」など、情報収集段階でも利用しやすい内容にするとダウンロードにつながりやすくなります。
獲得したリードには、関連資料やメールマガジン、ウェビナーなどを案内し、継続的に情報を届けます。ダウンロード数だけでなく、その後の商談化率まで追跡すれば、どのテーマが受注につながりやすいかも把握可能です。
動画コンテンツ配信
動画コンテンツ配信は、商品紹介やノウハウ、導入事例などを映像で伝え、見込み顧客の理解や関心を深める施策です。文章や静止画だけでは説明しにくい操作方法、製品の動き、サービス利用の流れなども視覚的に示せます。
BtoBでは、製品デモ、顧客インタビュー、セミナー動画、業界解説などが活用しやすいテーマです。YouTubeや自社サイト、SNSなどで公開すれば認知拡大にも使えます。フォーム入力後に限定動画を視聴できる仕組みにすれば、リード獲得にもつなげられるでしょう。
長時間の動画を一本制作するだけでなく、数分程度の解説動画や短いダイジェストに分ける方法もあります。視聴時間や離脱位置、クリック先などを確認すると、見込み顧客が何に関心を持っているかを把握しやすくなり、次に届ける情報や営業フォローの判断材料にもなります。
オウンドメディア
オウンドメディアは、自社が保有するWebメディアで記事や調査レポートなどを発信し、検索やSNSから見込み顧客を集める施策です。顧客の課題や疑問に答えるコンテンツを継続的に公開することで、まだ具体的なサービスを探していない層とも接点を持てます。
BtoBでは、情報収集から比較検討までに複数回検索する顧客も想定し、検討フェーズごとにコンテンツを用意することがポイントです。課題解決型の記事からサービス比較、導入事例へと内部リンクで誘導すれば、サイト内で理解を深めてもらえます。
記事を読んでもらうだけではリード情報を取得できないため、関連するホワイトペーパーやウェビナー、問い合わせフォームへの導線も設置しましょう。アクセス数だけでなく、資料ダウンロード率や商談への貢献まで確認することで、集客とリード育成の両面から改善できます。
LP(ランディングページ)
LPは、特定の商品・サービスやキャンペーンについて、一つのページで訴求から問い合わせ・資料請求までを促す施策です。広告やメールなどから訪れたユーザーを、リード獲得という明確な行動へ導く役割があります。
BtoB向けLPでは、サービスの特徴を並べるだけでなく、「どのような課題を解決できるのか」「導入すると業務がどう変わるのか」を具体的に示すことが大切です。導入事例、料金、よくある質問など、検討時に生じる不安や疑問もページ内で解消できるようにします。
広告媒体やターゲットごとにLPを分ければ、訴求内容も調整しやすくなります。訪問数に対してコンバージョンが少ない場合は、ファーストビュー、CTA、フォーム項目、事例の見せ方などを確認しましょう。広告とLPを一体で改善すると、リード獲得効率を高めやすくなります。
メールマガジン配信
メールマガジンは、獲得したリードへ定期的に情報を届け、継続的な接点をつくる施策です。BtoBでは、資料をダウンロードした時点では導入時期が決まっていない顧客もいるため、検討が進むまで関係を維持するリードナーチャリングに活用できます。
配信内容には、業界ニュース、ノウハウ記事、新しいホワイトペーパー、ウェビナー、導入事例などがあります。すべてのリードへ同じメールを送り続けるのではなく、業種や役職、過去に閲覧したコンテンツなどに応じて内容を変えると、関心に合った情報を届けやすくなるでしょう。
開封率やクリック率だけでなく、メール経由の資料請求、問い合わせ、商談化なども確認してください。特定テーマへの反応が続くリードは検討度が高まっている可能性があるため、営業担当へ共有するなど、次のアクションにつなげることも大切です。
無料診断・シミュレーション
無料診断・シミュレーションは、ユーザーが質問に回答したり条件を入力したりすることで、課題の診断結果や費用、導入効果などの目安を確認できるコンテンツです。自社の状況に置き換えて情報を得られるため、一方的な商品紹介よりも利用する動機をつくりやすくなります。
例えば業務効率化サービスなら削減できる作業時間、広告サービスなら予算に応じた成果の目安などを提示する方法があります。診断結果の表示や詳細レポートの送付にメールアドレスなどの入力を設ければ、リード獲得にも活用可能です。
入力された回答から、企業が抱える課題や関心領域を把握できる点も利点です。結果に応じて関連資料や事例を提示したり、個別相談を案内したりすれば、そのまま次の検討行動へ誘導できます。営業側も診断内容を事前に確認できるため、初回提案を顧客の課題に合わせやすくなります。
商談数を増やしたい企業向けマーケ施策【5選】

リードを獲得しても、問い合わせや商談につながらなければ売上には結びつきません。商談数を増やすには、比較検討中の見込み顧客が抱える疑問や不安を解消し、「詳しく話を聞きたい」と思える接点をつくる必要があります。
コンテンツで判断材料を提供する方法に加え、製品デモや個別相談など、直接コミュニケーションを取る施策も有効です。ここでは、リードを商談へ進めるための5つの施策を紹介します。
比較コンテンツの制作
比較コンテンツは、自社サービスと他の選択肢との違いや、複数のサービスを選ぶ際の基準などを整理し、比較検討中の見込み顧客を商談へ近づける施策です。導入を具体的に考え始めた段階では、「自社に合うのはどれか」「何を基準に選べばよいか」といった疑問が生じやすくなります。
具体的にはサービスの機能・料金・対象企業を比較する記事や、「○○ツールの選び方」といったコンテンツが考えられます。自社に都合のよい情報だけを並べるのではなく、向いている企業と向いていない企業まで示したほうが、読者は判断しやすくなります。
記事内には、資料請求や製品デモ、個別相談などへの導線を設けましょう。比較検討という商談に近い段階のニーズを捉えられるため、単なるアクセス数ではなく、問い合わせ率や商談化率を指標として改善することが大切です。
チャットボットの導入
チャットボットは、Webサイト上でユーザーからの質問に回答したり、目的に応じたページへ案内したりする仕組みです。営業時間外でも対応できるため、「少しだけ確認したい」という見込み顧客の疑問をその場で解消し、離脱を防ぐ役割があります。
BtoBでは、料金、機能、導入期間、対応範囲など、問い合わせ前に確認されやすい項目への回答を用意しておくと活用しやすくなります。質問内容に応じて資料請求や問い合わせフォーム、商談予約へ誘導すれば、Webサイトを閲覧しているユーザーを次の行動へつなげられるでしょう。
ただし、複雑な質問まで自動回答だけで完結させようとすると、かえって不満を生む可能性があります。有人チャットや担当者への問い合わせへ切り替えるルートも整えておきましょう。どの質問が多いのかを分析すれば、FAQや営業資料などの改善にも生かせます。
製品デモ/サンプル配布
製品デモやサンプル配布は、見込み顧客に商品・サービスを実際に体験してもらい、導入後のイメージを具体化する施策です。説明資料だけでは伝わりにくい操作性や性能、使用感などを確認できるため、比較検討段階にある顧客の不安を減らせます。
SaaSや業務システムであれば、オンラインで画面を共有しながら機能を実演する方法があります。製造業などの有形商材では、サンプル品を提供して品質や仕様を確認してもらうことも可能です。相手の課題を事前に把握し、関係する機能や活用方法に絞って見せると、自社で利用する場面を想像してもらいやすくなります。
デモやサンプル提供を単独で終わらせず、その後のヒアリングや個別提案まで設計しておきましょう。利用時の反応や質問内容を営業担当へ共有すれば、次回の商談でも顧客の関心に沿った提案ができます。
個別相談会の実施
個別相談会は、見込み顧客が抱えている課題や疑問について、担当者が直接ヒアリングしながら解決策を提案する施策です。「資料だけでは自社に合うかわからない」「具体的な導入方法を知りたい」と考えている顧客に、商談へ進むきっかけを提供できます。
相談のハードルを下げるには、「サービス説明会」ではなく、「30分無料相談」「課題整理相談会」など、参加すると何がわかるのかを明確にするとよいでしょう。相談前に業種や企業規模、現在の課題などを簡単に入力してもらえば、担当者も事前準備ができます。
また、ウェビナーやホワイトペーパーの閲覧後に個別相談を案内するなど、他施策と組み合わせる方法も有効です。相談件数だけを見るのではなく、相談後の提案率や商談継続率、受注率まで確認し、集客する対象や相談内容を改善していきます。
リードスコアリングの実施
リードスコアリングとは、見込み顧客の属性や行動に点数を付け、商談につながる可能性を判断する方法です。すべてのリードへ同じタイミングで営業をかけるのではなく、検討度の高い顧客から優先的にアプローチすることで、限られた営業リソースを活用しやすくなります。
例えば企業規模や役職などの属性に加え、「料金ページを閲覧した」「導入事例を読んだ」「ウェビナーへ参加した」といった行動を評価対象にします。一定のスコアを超えた段階で営業部門へ引き渡すルールを決めておけば、マーケティングと営業の連携もスムーズになるでしょう。
ただし、最初に決めた配点を使い続けるのではなく、実際に商談・受注した顧客の行動と照らして見直すことが必要です。商談化しやすい行動パターンがわかれば、スコアの精度を高め、アプローチの優先順位をより適切に判断できます。
受注率を高めたい企業向けマーケ施策【4選】

商談数を確保できていても受注につながらない場合は、顧客が意思決定するための情報が不足していたり、マーケティングと営業の連携に課題があったりする可能性があります。
受注率を高めるには、導入後のイメージや成果を具体的に伝えるだけでなく、失注データを次の提案へ反映する仕組みも必要です。ここでは、商談から受注までのプロセスを改善する4つの施策を紹介します。
事例コンテンツの制作(お客様の声など)
事例コンテンツは、自社の商品・サービスを導入した企業の課題や活用方法、導入後の変化などを紹介するコンテンツです。BtoBでは購入前に社内承認が必要になるケースもあり、実際の導入企業がどのような成果を得たのかは、有力な判断材料になります。
制作する際は「導入してよかった」という感想だけで終わらせず、導入前の課題、選定理由、活用方法、導入後の変化まで具体的にまとめましょう。数値で示せる成果があれば、説得力も高まります。
また、業界や企業規模、用途別に複数の事例をそろえると、見込み顧客が自社に近いケースを探しやすくなります。
Webサイトへの掲載だけでなく、営業資料や商談時の提案にも活用可能です。顧客が抱える課題に近い事例を営業担当が提示できれば、導入後を具体的にイメージしてもらいやすくなり、意思決定を後押しできます。
MAツールの導入
MA(マーケティングオートメーション)ツールは、見込み顧客の情報や行動履歴を管理し、メール配信やスコアリングなどのマーケティング業務を支援するツールです。顧客ごとの検討状況を把握しやすくなるため、適切なタイミングで営業へつなぐ仕組みづくりに役立ちます。
資料ダウンロード、メールのクリック、料金ページの閲覧などを記録しておけば、どの企業が自社サービスへの関心を高めているのかを確認できます。行動に応じて関連資料を自動配信したり、一定条件を満たしたリードを営業へ通知したりすることも可能です。
ただし、MAツールを導入するだけで受注率が上がるわけではありません。どの行動を検討度の高さと判断するのか、どの段階で営業へ渡すのかといった運用ルールを先に決める必要があります。蓄積したデータを営業活動までつなげてこそ、ツールを生かせるのです。
失注理由の分類と改善
失注理由の分類は、商談が受注に至らなかった原因を記録・分析し、次のマーケティングや営業活動へ反映する取り組みです。「価格が合わなかった」「競合を選んだ」といった情報を残すだけでなく、なぜその判断になったのかまで掘り下げることが大切です。
具体的には、失注理由を以下のように分類すると、改善すべきポイントを見つけやすくなります。
- 価格・予算が合わなかった
- 機能や仕様が要件を満たさなかった
- 導入時期が合わなかった
- 競合サービスが選ばれた
- 社内承認を得られなかった
- 提案内容が課題と合っていなかった
価格による失注が多ければ費用対効果の伝え方を見直し、社内承認で止まるケースが多ければ、稟議に使える事例や比較資料を用意できます。営業担当者の感覚だけに頼らず、失注データを定期的に集計することで、受注を妨げている要因に沿った改善が可能です。
営業部門への引き渡しルールを明文化
マーケティング部門から営業部門へリードを引き渡す条件を明文化すると、検討度に合ったタイミングでアプローチしやすくなります。部署ごとに「商談につながりそうなリード」の認識が異なると、営業への引き渡しが早すぎたり、反対に有望な機会を逃したりする原因になります。
具体的には、以下のような条件を共通ルールとして設定しましょう。
- 対象業種や企業規模に該当している
- 特定の資料をダウンロードしている
- 料金・導入事例ページを複数回閲覧している
- ウェビナーや個別相談へ参加している
- 導入時期や予算が明確になっている
条件だけでなく、引き渡す顧客情報や営業が対応を開始する期限、対応結果をマーケティング側へ戻す方法まで決めておくと連携が滞りにくくなります。営業側のフィードバックを基に基準を更新すれば、商談の質を高め、受注につながりやすいリードを見極める精度も上げられます。
既存顧客との関係を強化したい企業向けマーケ施策【4選】

BtoBマーケティングでは、新規顧客の獲得だけでなく、受注後も継続的に価値を提供し、長期的な関係を築くことが大切です。導入初期の定着を支援して利用中の課題を解消できれば、解約の防止や継続利用につながります。
さらに顧客のニーズを把握することで、上位プランや関連サービスを提案できる機会も生まれるでしょう。ここでは、既存顧客との関係を強化する4つの施策を紹介します。
オンボーディングの標準化
オンボーディングとは、商品・サービスを導入した顧客がスムーズに利用を開始し、期待する価値を得られる状態まで支援する取り組みです。
BtoBでは、導入初期につまずいて使いこなせないことが解約につながる要因となるため、契約後のフォローを担当者任せにしない仕組みが求められます。
以下のようなコンテンツを整備すると、支援を標準化できるでしょう。
- 導入から利用開始までのステップ
- 初期設定や運用開始時のチェックリスト
- 操作方法を説明する動画チュートリアル
- よくある質問をまとめたFAQ
- 利用開始後のフォロー面談
顧客が「次に何をすればよいのか」を迷わない状態をつくることがポイントです。あわせて、どの段階で利用が止まりやすいかを確認し、説明資料やサポート内容を更新すれば、早期の活用定着につなげられます。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスは、顧客から問い合わせを受けて対応するだけでなく、自社から働きかけて顧客の成果創出を支援する取り組みです。サービスを契約している状態をゴールとせず、「導入によって顧客が目的を達成できているか」という視点で継続的にフォローします。
例えば利用状況を確認して活用が進んでいない顧客へ操作方法を案内したり、定期面談で課題を聞き取って活用方法を提案したりします。利用頻度の低下など、解約につながり得る兆候を早期に把握することも役割の一つです。
顧客との対話から得た要望や不満は、営業部門や開発部門にも共有しましょう。製品・サービスの改善へ反映すれば、既存顧客の満足度向上だけでなく、新規顧客への提供価値も磨けます。継続率や解約率、利用状況などを確認しながら支援内容を改善することが大切です。
顧客向け限定セミナー・勉強会
既存顧客限定のセミナーや勉強会は、契約後も継続的に役立つ情報を提供し、顧客との接点を保つ施策です。新機能の紹介だけでなく、業界の最新動向やサービスの応用的な使い方、他社の活用事例などを取り上げることで、導入したサービスをより深く活用してもらえます。
参加者同士が情報交換できる場を設ければ、ユーザーコミュニティの形成にもつながります。同じ課題を抱える企業の取り組みを知ることで、新しい活用方法に気づく顧客もいるでしょう。
開催後のアンケートでは、満足度だけでなく「現在困っていること」「今後知りたいテーマ」なども聞き取ります。得られた声を次回の企画や顧客支援へ反映すれば、一方的な情報提供ではなく、ニーズに沿った関係づくりが可能です。セミナー中に見えた新たな課題は、追加提案のきっかけにもなります。
アップセル・クロスセルの強化
アップセルは、現在利用している商品・サービスより上位のプランや高機能な商品を提案する手法です。クロスセルでは、既存の商品と組み合わせて使える別の商品・サービスを提案します。既存顧客への売上を伸ばすだけでなく、顧客が抱える新たな課題を解決する手段として活用可能です。
例えば利用人数の増加に合わせて上位プランを案内したり、現在使用しているツールと連携できる関連サービスを紹介したりする方法があります。ただし、売上を優先して不要な商品まで勧めると、信頼関係を損ねかねません。
利用状況、問い合わせ内容、定期面談で聞き取った課題などをもとに、「現在の契約内容では解決できていないこと」を把握してから提案しましょう。顧客が得られる効果まで説明できれば、単なる追加販売ではなく、課題解決につながる提案として受け入れられやすくなります。
BtoBマーケティング施策を成功させるコツ

BtoBマーケティングでは、施策の数を増やせば成果が伸びるわけではありません。自社が狙う顧客を理解したうえで、強みを生かせる施策を選び、結果をデータで検証する必要があります。
特に「リードは取れているのに商談にならない」といった課題がある場合は、施策単体ではなく、顧客が認知してから受注するまでの流れを見直すことが大切です。ここでは、施策の成果を高める3つのポイントを解説します。
顧客の解像度を上げる
成果につながる施策を選ぶには、まず「誰に届けるのか」を具体化する必要があります。業種や企業規模といった属性だけでなく、顧客が抱えている課題、情報収集の方法、導入を検討するきっかけ、意思決定に関わる人物まで掘り下げましょう。
BtoBでは、サービスを利用する担当者と決裁者が異なるケースもあります。現場担当者は使いやすさを重視する一方、決裁者は費用対効果や導入リスクを確認するなど、立場によって求める情報が変わります。
顧客理解を深める方法としては、既存顧客へのインタビュー、営業担当へのヒアリング、問い合わせ内容や商談記録の分析などが有効です。実際の声から「なぜ自社を知ったのか」「何と比較したのか」「契約の決め手は何だったのか」を把握すると、広告やコンテンツの訴求内容も具体化できます。
自社の強みと弱みを洗い出す
マーケティング施策を決める際は、競合だけでなく自社の強みと弱みも整理しましょう。他社がSEOやSNSで成果を上げているからといって、同じ施策が自社にも適しているとは限りません。
例えば専門知識を持つ社員が多ければ、その知見を記事やウェビナーに展開できます。導入事例が豊富なら、事例コンテンツを軸に比較検討層へアプローチしやすいでしょう。一方、コンテンツ制作を担当できる人材が少ない状態でオウンドメディアを立ち上げると、更新が止まる可能性があります。
「自社が提供できる価値」と「施策を継続できるリソース」の両面から考えることがポイントです。競合との機能差、価格、サポート体制、実績、専門性などを整理し、顧客から選ばれる理由を明確にしたうえで施策へ反映すると、訴求も一貫しやすくなります。
データを“意思決定”に使う
マーケティングデータは、結果を報告するためだけではなく、次に何を変えるか判断するために使います。アクセス数やリード数など個別の数字を見るだけでなく、認知から受注までの各フェーズをつなげて確認しましょう。
以下のような指標を追うと、ボトルネックを特定しやすくなります。
| フェーズ | 主な指標 |
| 集客 | Webサイト流入数、広告クリック数 |
| リード獲得 | CV数、CVR、CPA |
| 商談化 | 商談数、商談化率 |
| 受注 | 受注数、受注率、売上 |
| 既存顧客 | 継続率、解約率、アップセル率 |
流入数が十分でもリード獲得が少なければ、LPやCTAに課題がある可能性があります。リード数は多いのに商談化率が低いなら、ターゲティングやナーチャリングを見直すべきでしょう。
このように数値の落ち込みが大きい箇所を特定し、改善施策へ予算や人員を集中させることで、勘に頼らない意思決定ができます。
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まとめ

BtoBマーケティングでは、認知拡大、リード獲得・育成、商談化、受注、既存顧客との関係強化まで、各フェーズに応じて施策を使い分けることが大切です。
SEOや広告、ホワイトペーパー、ウェビナー、MAツールなど選択肢は多いため、流行している施策をそのまま取り入れるのではなく、自社の課題や顧客の行動に合わせて優先順位を決めましょう。
また、施策を実行した後は、リード数や商談化率、受注率などのデータを確認し、ボトルネックを特定して改善を重ねる必要があります。顧客理解と自社の強みを土台に、各施策を点ではなく一連の流れとして設計することが、継続的な成果につながります。






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