営業活動を行う中で「商談数は増えているのに売上が伸びない」「見積もりまでは進むのに受注につながらない」と悩む場面があります。
そのときに確認したいのが、商談のうちどれだけが受注につながっているかを示す「受注率」です。
受注率を把握しないまま営業改善を進めると、原因がわからないままアポ数だけを増やしたり、担当者の努力不足として片づけたりするリスクがあります。
しかし実際には、ターゲットのずれや提案内容の弱さ、追客漏れ、顧客情報の管理不足など、複数の要因が関係しているケースも少なくありません。
この記事では、受注率の意味と計算方法、計算するメリット、受注率が低い原因、改善する方法を解説します。
営業担当者はもちろん、営業チームを管理するマネージャーや、売上改善に取り組む方もぜひ参考にしてください。
「受注率」とは?指標の意味と計算方法

受注率とは、商談や提案を行った件数のうち、実際に受注につながった割合を示す指標です。
営業活動の成果を確認するうえで重要な数値であり、「成約率」と呼ばれることもあります。
計算式は、次のとおりです。
| 受注率(%)=受注件数 ÷ 商談件数 × 100 |
たとえば、1か月で50件の商談を行い、そのうち10件が受注につながった場合、受注率は20%です。
商談件数が80件、受注件数が16件の場合も、16÷80×100で受注率は20%になります。
ここで注意したいのは、何を「商談件数」に含めるかを社内で統一しておくことです。資料請求直後の問い合わせまで含めるのか、アポイント後の具体的な提案だけを含めるのかによって、受注率は変わります。
検討中の案件を含めると正確な数字が出にくいため、一定期間内に結果が確定した案件を対象にするなど、計算ルールを決めておきましょう。
受注率を計算するメリット

受注率は、営業成績を評価するためだけの数字ではありません。
営業活動のどこに課題があるのかを見つけ、売上につながる行動を増やすための判断材料になります。
ここでは、受注率を計算する主なメリットを紹介します。
営業課題を可視化できる
受注率を計算すると、営業活動のどこに問題があるのかを把握しやすくなります。
たとえば、商談数は多いのに受注率が低い場合、以下のような原因が考えられます。
- 顧客の課題を十分に聞き取れていない
- 提案内容が顧客の希望とずれている
- 競合との違いを伝えきれていない
また、特定の担当者だけ受注率が低い場合は、ヒアリングや提案の進め方に課題があるかもしれません。
特定商材だけ失注が多い場合は、価格設定や訴求内容、ターゲットを見直す必要があります。
担当者別・商材別・流入経路別に受注率を見ることで、感覚では見えにくい課題が明確になるのです。
売上予測や行動目標が立てやすくなる
受注率がわかると、必要な商談数やアポ数を逆算できます。
売上目標を「頑張って達成する」ではなく、具体的な行動量に落とし込める点が大きなメリットです。
たとえば、受注率が20%の営業チームで10件の受注を目指す場合、必要な商談数は50件です。
さらに、商談化率やアポイント獲得率も把握していれば、必要な問い合わせ件数や架電数、メール配信数まで逆算できます。
営業活動を数字で管理できるため、売上予測の精度も高めやすくなります。
営業改善の優先順位が明確になる
受注率を見れば、改善すべき箇所の優先順位を決めやすくなります。
商談数が少ないうえに受注率も低い場合は、リード獲得と営業提案の両方を見直す必要があります。
一方で、商談数は十分にあるのに受注率が低い場合は、まず商談内容や追客方法を改善した方が効果的です。
営業改善では、以下のように見直せる部分が多くあります。
- 広告
- 提案資料
- トークスクリプト
- メール
- CRM
- SFA
受注率を基準にすれば、どのフェーズから手をつけるべきかがわかり、限られた時間や人員を有効に使えるでしょう。
担当者の意識向上につながる
受注率を継続的に確認すると、営業担当者の意識向上にもつながります。
自分の商談がどのくらい受注につながっているのかを把握できるため、日々の行動を振り返りやすくなるからです。
成果が出ている担当者の行動を共有すれば、チーム全体の営業力向上も期待できます。
商談後のフォローが早い、顧客の検討状況に合わせて資料を送っている、次回連絡日を必ず設定しているなど、受注につながる行動を標準化しやすくなるでしょう。
担当者の意識が変われば、フォロー不足や連絡漏れ、対応遅れといった追客漏れの防止にも役立ちます。
受注率が低い主な原因

受注率が低い場合、営業担当者の話し方だけが原因とは限りません。
ターゲットの選び方や、顧客情報の管理、追客の仕組み、競合との差別化など、複数の要因が関係していることがあります。
ここでは、受注率が低い主な原因を整理していきましょう。
顧客の課題を深掘りできていない
顧客の課題を十分に深掘りできていないと、提案内容が表面的になり、受注につながりにくくなります。
たとえば、顧客が「業務を効率化したい」と話していても、その背景には人手不足や入力ミス、情報共有の遅れ、売上管理の属人化など、さまざまな原因があるでしょう。
課題の中身によって、提案すべき内容も変わります。
受注率を上げるには、顧客の言葉をそのまま受け取るだけでなく、「なぜ困っているのか」「今の方法では何が問題なのか」まで確認することが大切です。
顧客の「意思決定プロセス」を把握していない
顧客が商品やサービスを導入するまでには、以下のようなプロセスを踏む必要があります。
- 社内確認
- 上司への相談
- 予算承認
- 他社比較
この流れを把握できていないと、提案やフォローのタイミングがずれやすくなります。
商談相手が担当者でも、最終的な決裁者は別にいることも少なくありません。
その場合、担当者向けの説明だけでなく、決裁者が重視する費用対効果や導入後のリスク、社内説明に使える資料も必要です。
誰が、いつ、何を基準に判断するのかを早い段階で確認しておきましょう。
競合との差別化ポイントが弱い
顧客は多くの場合、複数の会社やサービスを比較しています。
競合との差別化ポイントが弱いと、「どこに依頼してもあまり変わらない」と受け取られ、価格の安い会社に流れたり、検討が止まったりしやすくなります。
差別化を図るには、自社の強みを一方的に伝えるだけでは不十分です。
顧客の課題に対して、自社ならどのように解決できるのかを具体的に示す必要があります。
導入事例や成功パターン、サポート体制、他社との違いを整理しておくと、提案の説得力が高まります。
提案内容と顧客の温度感が合っていない
顧客の検討状況と提案内容が合っていない場合も、受注率は下がりやすくなります。
まだ情報収集の段階にいる顧客へ契約を急ぐ話をすると、押し売りのように感じられることも多いです。
反対に、導入意欲が高い顧客へ一般的な資料だけを送っていると、対応が遅いと判断されるかもしれません。
顧客の温度感を見極めるには、商談中の発言だけでなく、資料の閲覧状況やメールへの反応、質問内容、社内検討の進み具合などを確認するようにしましょう。
顧客情報が管理できていない
顧客情報が担当者ごとに分散していると、受注率の改善は進みにくくなります。
名刺・Excel・メール・メモ・チャットなどに情報が分かれていると、最新の状況を把握しにくいです。
また、担当者が休んだり異動したりしたときに、案件の引き継ぎがうまくいかないリスクもあります。
適切なタイミングで提案するためには、以下の情報を整理しておく必要があるでしょう。
- 顧客の課題
- 検討状況
- 過去のやり取り
- 送付した資料
- 次回連絡日
追客漏れが発生している
商談後に連絡が遅れた、資料送付後のフォローを忘れた、検討タイミングに合わせて連絡できなかったという小さな漏れが、失注につながることがあります。
顧客は、検討中に複数の会社とやり取りしている場合があります。
そのなかで対応が遅い会社や、必要な情報を送ってくれない会社は、候補から外れやすいです。
案件が増えるほど、手作業だけで追客を管理するのは難しくなるため、追客の仕組み化が必要でしょう。
受注率を上げる方法5選

受注率を上げるには、営業担当者の頑張りだけに頼るのではなく、チーム全体で再現できる仕組みを作ることが大切です。
ここでは受注率を上げるためのポイントを5つ紹介します。
ターゲットを見直す
受注率が低い場合、自社の商品やサービスと相性の悪い顧客に多くの時間を使っている可能性があります。
- 予算規模が合わない
- 導入時期が未定
- 決裁者との接点がない
- 課題が明確でない
上記のような場合、商談数は増えても受注につながりにくくなります。
そこで、過去に受注した顧客の共通点を整理し、業種や企業規模、課題、導入目的、受注金額などを確認しましょう。
確度の高い顧客像が見えれば、営業対象を絞り込みやすくなります。
追客フローを仕組み化する
商談後のフォローを担当者任せにしていると、対応の質やタイミングにばらつきが出やすくなります。
受注率を安定して高めるには、追客フローを仕組み化することが大切です。
具体的には、以下のような流れです。
- 商談翌日にお礼メールを送る
- 1週間後に検討状況を確認する
- 顧客の課題に近い導入事例を送付する
- 一定期間反応がない顧客にはメールを自動配信する
追客フローを作ると、担当者ごとの経験に頼らず、一定の品質でフォローできるようになります。
顧客にとっても、必要なタイミングで情報が届くため、検討を進めやすくなるでしょう。
営業データを蓄積・分析する
受注率を上げるには、営業データの蓄積と分析が欠かせません。
どのような顧客が受注しやすいのか、どの提案資料が見られているのか、どのタイミングで失注しやすいのかを把握することで、改善の方向性が明確になります。
具体的には以下のことを記録しておくとよいでしょう。
- 商談件数
- 受注件数
- 失注件数
- 受注金額
- 失注理由
- 流入経路
- 担当者
- 商材
- 提案日
- 最終連絡日
特に失注理由を残しておくと、価格や時期、競合、機能不足、社内承認の停滞など、次に改善すべき点が見えやすくなります。
受注確度で優先順位をつける
すべての案件に同じ時間をかけていると、確度の高い顧客への対応が遅れることがあります。
受注率を上げるには、案件ごとの受注確度を見極め、優先順位をつけることが重要です。
受注確度は、以下の情報をもとに判断します。
- 顧客の課題が明確か
- 導入時期が決まっているか
- 予算があるか
- 決裁者が関わっているか
- 資料を見ているか
中でも資料を複数回見ている顧客や、具体的な導入時期を話している顧客は比較的温度感が高いと考えられます。
営業支援・顧客管理ツールを導入する
受注率を継続的に改善するには、営業支援ツールや顧客管理ツールの導入も効果的です。
SFAは営業活動を管理・支援するツール、CRMは顧客情報を管理するツールを指します。
ツールを使うと、顧客情報の一元管理や追客タスクの自動化、自動メール送信、資料閲覧などのトラッキングデータの確認がしやすくなります。
営業担当者の記憶や手作業に頼るのではなく、データをもとに追客できる仕組みを作ることが、受注率改善の近道になるでしょう。
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受注率を上げるためには、顧客の温度感を把握し、適切なタイミングで追客することが大切です。
しかし、実際の営業現場では「どの顧客が興味を持っているのかわからない」「資料送付後に連絡すべきタイミングが見えない」「追客が担当者任せになっている」といった課題も少なくありません。
そのような営業課題の解決に役立つのが、顧客管理ツール「ノコセル」です。
ノコセルは、営業資料やホワイトペーパー、製品カタログなどを共有するだけで、顧客の興味関心を分析できるツールです。
見込み顧客の集客から接客、商談化までを支援し、営業・マーケティング活動のプロセスを効率化できます。
【受注率向上に役立つノコセルの機能】
- 資料トラッキング機能
- 顧客がどのページを閲覧したか分かる
- どれくらい閲覧したか分かる
- 追客の自動化
- フォローメールを自動送信
- 資料の開封を促すメッセージの送信
特に注目したいのが、資料トラッキング機能です。
顧客が「どのページを」「どれくらい見たか」を確認できるため、顧客の熱量を把握しやすくなり、確度の高い顧客に優先してアプローチできます。
営業の無駄打ちを減らし、必要な顧客に必要なタイミングで連絡しやすくなる点がメリットです。
また、顧客情報の管理や追客メールの自動化にも対応しているので、連絡漏れや対応遅れを防ぎやすくなります。
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受注率に関するよくある質問
最後に、受注率に関してよくある質問を紹介します。
受注率は業界や商材、営業方法によって大きく変わるため、平均値だけで良し悪しを判断するのではなく、自社の過去データと比較しながら見ていくことが大切です。
受注率の平均はどれくらい?
受注率の平均は、業界・商材・価格帯・営業方法・リードの質によって大きく異なります。そのため、「何%なら必ず良い」と一律に判断することはできません。
公開されている調査や営業系メディアの数値を参考にすると、商談後の受注率・成約率には以下のような目安があります。
| BtoB営業 | 20〜30%程度 |
| SaaS | 10〜30% 程度 |
| バイオテクノロジー業界 | 15% |
| 金融業界 | 19% |
| ソフトウェア業界 | 22% |
ただし、これはあくまで参考です。
高額商材や導入までの検討期間が長いサービスでは、受注率が低くても1件あたりの金額が大きく、売上としては十分に成果が出ている場合があります。
自社では、月別・担当者別・商材別・流入経路別に受注率を計算し、過去と比べて改善しているかを確認しましょう。
受注率が低い原因はどうやって特定すればいい?
受注率が低い原因を特定するには、商談プロセスを分解して、それぞれのフェーズごとに失注率を算出する方法が有効です。
以下のような流れに分けて確認し、どの段階で離脱が多いのかを見れば、改善すべきポイントが見えやすくなります。
- 問い合わせ
- アポイント
- 初回商談
- 提案
- 見積もり
- 社内検討
- 受注
初回商談後の離脱が多い場合は、ヒアリング不足や提案の方向性に課題があるかもしれません。
また、見積もり後の失注が多い場合は、価格の伝え方や競合との比較、費用対効果の説明を見直す必要があります。
失注理由を記録し、同じ原因が繰り返されていないかを確認することが重要です。
受注率は高いほどいい?
受注率は高い方が良いように見えますが、必ずしも高ければ高いほど良いとは限りません。
受注率が極端に高い場合、確度の高いターゲットに絞り過ぎている可能性があります。効率よく受注できている一方で、新しい顧客層への提案や大きな案件への挑戦が少なく、機会損失が発生しているかもしれません。
また、リードの母数が少ない場合、数件の受注だけで受注率が大きく上がることもあります。
さらに、受注率が高いからといって売上が高いとは限りません。
受注件数が多くても単価が低ければ、売上や利益が十分に伸びないことがあります。
受注率を見るときは、受注件数や受注金額、粗利、商談数、営業工数などもあわせて確認しましょう。
まとめ

受注率とは、商談や提案を行った件数のうち、実際に受注につながった割合を示す指標です。
受注率を計算すると、営業課題を可視化でき、売上予測や行動目標を立てやすくなります。また、営業改善の優先順位が明確になり、担当者の意識向上や追客漏れの防止にもつながります。
受注率が低い場合は、顧客の課題を深掘りできていない、意思決定プロセスを把握していない、競合との差別化が弱い、顧客情報を管理できていない、追客漏れが発生しているなどの原因が考えられるでしょう。
改善するには、ターゲットの見直しや、追客フローの仕組み化、営業データの蓄積・分析、受注確度による優先順位づけ、営業支援・顧客管理ツールの導入が有効です。
顧客管理ツール「ノコセル」なら、資料トラッキング機能によって顧客がどのページをどれくらい見たかを確認できます。
顧客の温度感を把握し、確度の高い商談に集中できるため、受注率改善に取り組みたい企業に適しています。
まずは無料トライアルを活用し、自社の営業活動にどのように役立つかを確認してみてください。




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