AISCEASとは?マーケティング戦略に必要な基礎知識と代表施策、成功のコツ解説

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購買行動が多様化した今、広告を出すだけでは成果につながりにくくなっています。ユーザーはSNSで知り、検索・比較したうえで納得してから購入し、さらに口コミで次の購買を動かします。こうした一連の流れを整理する枠組みがAISCEASです。

本記事ではAISCEASモデルの基礎からAIDMA・AISASとの違い、各ステップで有効な施策例、成果を伸ばす運用のコツまでを解説します。施策設計やKPI設定のヒントにも役立ててください。

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現代の消費行動に欠かせない「AISCEAS」の基礎知識

ユーザーの購買プロセスは、以前のように「広告を見て買う」で完結しません。SNSで偶然知った商品を検索し、比較サイトやレビューで検討し、購入後は体験をシェアすることも一般化しています。

AISCEASは、この現代的な行動をステップで捉え、どこで何を仕掛けるべきかを整理するためのフレームワークです。施策の打ち手が増えるほど、全体設計が曖昧になりやすいからこそ、まずはモデルの前提を押さえておきましょう。

AISCEASとは?

AISCEASとは、Attention(注意)・Interest(興味・関心)・Search(検索)・Comparison(比較)・Examination(検討)・Action(行動)・Share(共有)の頭文字を並べた購買行動モデルです。アンヴィコミュニケーションズの望野氏が2005年に提唱したもので、ユーザーが「知る」段階から「買う」までを分解し、さらに購入後の共有までを含めている点が特長です。

このモデルで重要なのは、各ステップでユーザーが求める情報の質が変わることです。例えばAttentionでは短時間で目に留まる接触機会が必要になり、Search以降は具体的な疑問に答える情報が求められます。ComparisonやExaminationでは、価格やスペックだけでなく、信頼できる根拠や第三者の評価が意思決定を左右します。

つまりAISCEASは、チャネル別の施策をバラバラに積み上げるのではなく、ユーザー心理の流れに沿って役割分担させるための設計図として機能するのです。

結果として、コンテンツ制作や広告投資の優先順位を付けやすくなり、KPIも「認知」だけでなく「比較」「検討」など中間指標まで設定しやすくなります。

AISCEASが生まれた背景

AISCEASが注目される背景には、情報接点の増加と、購買前の自己解決行動の一般化があります。

検索エンジンやSNS、比較サイト、動画レビューなど、ユーザーは購入前に多面的な情報を自分で集められるようになりました。企業側が届けたい情報だけではなく、第三者の評価や実体験の投稿が意思決定に大きく影響する環境です。

また、BtoBやSaaSのように検討期間が長い商材では、導入担当者が社内合意を得るための材料を揃える必要があります。機能の違い、費用対効果、導入後の運用イメージなど、比較と検討を丁寧に進めるほど、途中で離脱するポイントも増えます。

こうした変化に対応するには、認知施策だけでなく、検索・比較・検討を支える情報提供を一貫して設計し、購入後のShareまで含めて次の認知につなげる視点が欠かせません。AISCEASはその全体像を整理し、マーケティング戦略を実務に落とし込むための基礎として活用されています。

AISCEASと他の購買モデルとの違い

購買行動モデルは複数ありますが、どれを軸にするかで「注力すべき施策の範囲」が変わります。AISCEASは、デジタル前提の行動を細かく捉え、比較と検討を分けて設計できる点が特徴です。

一方で、AIDMAはマス広告中心の時代に強く、AISASは検索と共有に焦点を当てたモデルとして知られています。違いを理解しておくと、自社の商材や顧客の購買プロセスに合う設計がしやすくなります。

AISCEASとAIDMAの比較

AIDMAはAttention(注意)・Interest(関心)・Desire(欲求)・Memory(記憶)・Action(行動)で構成され、広告接触から購買までの心理変化を整理します。テレビCMや雑誌などの反復接触によって記憶に残して、欲求を高めて購入へ導く考え方と相性がいいモデルです。

対してAISCEASは、DesireやMemoryよりもSearch(検索)以降の情報行動を重視します。ユーザーが能動的に調べ、比較し、納得して買うまでを前提にしているため、コンテンツや導入事例、FAQなどの「意思決定を助ける材料」が中心です。

購買までの距離が長い商材ほど、AIDMA的な想起だけでは押し切れず、検索結果や比較情報の設計が成果を左右します。つまりAIDMAが「欲しい気持ちを育てる」モデルなら、AISCEASは「納得して選べる状態をつくる」モデルなのです。

AISCEASとAISASの比較

AISASはAttention(注意)・Interest(関心)・Search(検索)・Action(行動)・Share(共有)で構成され、インターネット時代の基本形として広く使われてきました。AISCEASとの大きな違いは、Comparison(比較)とExamination(検討)の有無です。

実務では、検索したユーザーがすぐ購入するとは限りません。複数社を並べて違いを把握し、レビューや導入事例で不安を解消し、社内稟議の材料を揃えるなど、意思決定のプロセスが途中に挟まります。

AISASの枠組みでも運用は可能ですが、比較と検討がひとまとまりになりやすく、必要なコンテンツやKPIが曖昧になりがちです。AISCEASを使うと、比較向けにはスペック表や比較記事、検討向けには事例やデモなど、役割を分けて設計できます。結果として「どこで離脱しているか」を特定しやすく、改善の打ち手も明確になるでしょう。

AISCEASの各ステップにおけるユーザー心理と代表施策

AISCEASを実務で活かすコツは、各ステップを「施策の置き場」として捉えることです。ユーザーの心理は段階ごとに変わり、求める情報も接点も異なります。つまり、同じ訴求を繰り返すのではなく、次のステップへ進むために必要な材料を提供する設計が重要です。

ここでは、7段階それぞれのユーザー心理と、代表的な施策を整理します。

1. Attention(注意)

Attentionは、そもそも存在を知られていない状態からのスタートです。ユーザーは課題を自覚していないことも多く、情報を探しに来るわけではありません。したがって「見つけてもらう」ではなく「目に入る」設計が鍵になります。

代表施策は広告、SNS、プレスリリースなどです。広告ではターゲティング精度に頼るだけでなく、短時間で理解できるクリエイティブとメッセージ設計が欠かせません。SNSでは拡散よりも、タイムライン上で止まるフックや、企業アカウントとしての信頼感づくりが重要になります。

プレスリリースは第三者性を担保しやすく、Search以降で「会社名を見たことがある」という土台を作るのに役立ちます。

2. Interest(興味・関心)

Interestでは、ユーザーが「自分の課題と関係があるかもしれない」と感じ始めます。ただしまだ比較検討に入るほどの温度感ではなく、情報収集の入口に立った段階です。このときに意識したいのは、いきなり売り込むのではなく、課題の整理や判断軸を提示して見込み客へ引き上げることです。

代表施策はコンテンツマーケティング、メルマガ配信などです。読み物系コンテンツは、課題の背景や失敗例、基礎知識を提供し、ユーザーの理解を進めます。メルマガは接点を継続させる役割を持ち、比較や検討に進む前の関係構築に向いています。

興味関心の段階では、資料請求やセミナー登録など、軽めの行動導線を用意すると次につながりやすくなります。

3. Search(検索)

Searchは、ユーザーが具体的な答えを求めて自ら動くフェーズです。検索の目的は「購入」だけではありません。用語の意味を知りたい、選び方の基準を探したい、評判を確認したいなど、意図は幅広いです。

ここで重要になるのは、検索意図ごとに受け皿を用意し、指名検索される状態も並行して作ることです。代表施策はSEO対策、指名検索対策です。SEOでは、課題解決型の記事だけでなく、比較、費用、事例、導入手順など、検討の深度に合わせたコンテンツが必要です。

指名検索対策は、社名やサービス名で検索された際に、公式サイトや信頼できる情報へ自然に着地させる設計がポイントになります。

4. Comparison(比較)

Comparisonでは、候補が複数に絞られ「どれが自分に合うか」を並べて判断します。ユーザーは機能や価格だけでなく、導入のしやすさ、運用負荷、サポート体制など、実務での使い勝手も含めて比較します。競合に勝つためには、差別化ポイントを言語化し、比較の土俵で不利にならない情報の出し方が欠かせません。

代表施策は比較記事、ランキングサイト、スペック表による可視化です。自社サイトでは、機能一覧やプラン比較表などを整備し、判断材料を不足させないことが重要です。外部媒体での比較やランキングに関しては、過度な依存は避けつつ、最低限の情報整合性を保てるよう公式情報の整備が求められます。

5. Examination(検討)

Examinationは、最後の不安を解消し「この選択で失敗しない」と確信する段階です。比較で上位候補に残っても、信頼性の根拠が弱いと購入には至りません。特にBtoBでは、社内説明の材料として客観性が重視されます。

代表施策は導入事例、専門家の推薦、Q&A、デモ・試供品などです。導入事例は「どんな企業が、何を解決できたか」を具体化し、再現性を示します。

Q&Aは比較で生まれた疑問を回収し、検討の停滞を防ぎます。デモや試供品は体験を通じて納得を強める手段で、検討から行動へ移る背中押しになるでしょう。

6. Action(行動)

Actionは購入や申込の直前であり、心理よりも手続き上の障壁が離脱要因になります。入力が面倒、決済が分かりにくい、選択肢が多すぎるといった「摩擦」を減らすことが最優先です。

代表施策はEFO(入力フォーム最適化)、決済手段の拡充、期間限定オファーなどです。フォーム項目の削減、入力補助、エラー表示の改善は基本となります。

BtoBなら問い合わせ後の対応スピードや、次アクションの明確化も重要です。オファーは強力ですが、乱用すると安売りの印象になるため、目的と対象を絞って設計しましょう。

7. Share(共有)

Shareでは、購入後の体験がUGC(口コミ)として可視化され、次のAttentionを生みます。ここは「売って終わり」になりやすい一方で、循環を作れれば広告費を抑えながら認知を広げられます。

代表施策はSNSへの投稿キャンペーン、レビュー投稿者へのクーポン配布などです。投稿を促すには、書きやすいテーマやハードルの低い参加設計が必要になります。BtoBの場合は、事例取材や共同セミナーの形で共有を促すと、信頼性の高い口コミとして機能しやすくなります。

AISCEASが特に有効な商材・サービスの特徴

AISCEASは、ユーザーが情報を集めて納得してから行動する商材ほど力を発揮します。検索や比較、検討のプロセスが長いほど、途中で離脱する要因も増えるためです。自社が扱う商材の特性と照らし合わせ、どのステップを強化すべきかを見極めましょう。

不動産・自動車・家電などの高単価な商品

高単価商材は、購入の失敗が家計や生活の質に直結するため、比較と検討が徹底されます。ユーザーは価格や性能だけでなく、維持費、保証、下取り、設置やメンテナンスの手間など、購入後の負担も含めて判断します。

ここで有効なのは、スペック表の見せ方や比較コンテンツの充実に加え、事例やレビューで「選んだ理由」を具体化することです。例えば家電なら、利用シーン別の選び方、故障時のサポート、設置環境の注意点など、細かな不安を先回りして解消するとActionに進みやすくなります。

BtoB・SaaSなどの専門性が高く比較が難しいツール

BtoBやSaaSは、導入後に運用が始まってから真価が問われるため、選定時に確認すべき項目が多くなります。担当者は情報収集だけでなく、社内合意を得るための説明資料も揃えなければなりません。

そこでAISCEASのSearch、Comparison、Examinationが特に重要になります。SEOで「選び方」や「料金」「導入手順」を押さえつつ、比較表で差別化を明確化し、導入事例やデモで再現性を示す流れが効果的です。

さらにセキュリティや連携可否、サポート体制といった不安要素をQ&Aで潰しておくと、検討の停滞を防げます。

美容・スクールなどのコンプレックスを解消する商材

美容やスクールは、個人の悩みや自己投資に関わるため、期待値と不安が同時に大きくなります。「本当に変われるのか」「自分にも合うのか」といった感情面の障壁が強く、興味関心から行動までに時間がかかるケースも珍しくありません。

この領域では、体験談やビフォーアフター、専門家コメントなど、信頼性のある第三者情報がExaminationを後押しします。

また購入後の満足体験がShareとして広がりやすく、UGCが次のAttentionを生む循環も作りやすい点が特徴です。投稿キャンペーンやレビュー導線を整え、自然に口コミが増える仕組みまで設計できると、継続的な集客につながるでしょう。

その他、再現性のあるマーケティング施策や、他社の事例などについて知りたい方は、以下に参考資料をまとめてますので、ぜひご活用ください。

AISCEASマーケティング成功のコツ

AISCEASは、各ステップの施策を揃えるだけでは成果に直結しません。重要なのは、ユーザーが次の段階へ進むために必要な情報や体験を途切れなく提供できているかです。特にデジタル施策は担当者やチャネルが分かれやすく、全体像が見えないまま部分最適に陥りがちです。

ここでは、AISCEASを戦略から実行に落とし込み、改善サイクルを回すための要点を3つに整理します。

カスタマージャーニーマップを作成する

まず取り組みたいのが、AISCEASを自社の顧客行動に当てはめたカスタマージャーニーマップの作成です。

各ステップでの接点、ユーザーの疑問、行動のきっかけ、KPIを可視化すると「どこに投資すべきか」が明確になります。例えばSearchで流入が多いのにActionが伸びないなら、比較や検討に必要な情報が不足しているかもしれません。

部門間で同じ地図を共有できるため、広告、コンテンツ、営業の連携も取りやすくなるでしょう。

顧客のインサイトを深掘りする

次に重要なのは、表面的な属性ではなく、意思決定を動かすインサイトを捉えることです。ユーザーが比較や検討で迷う理由は、機能差よりも「失敗したくない」「社内で説明できない」といった心理的要因であることも多いです。

問い合わせ履歴、商談メモ、レビュー、SNSの声などから、よくある不安や反対意見を抽出し、コンテンツや訴求に反映しましょう。インサイトを掘るほど、ComparisonとExaminationの打ち手が具体化し、勝ち筋が見えやすくなります。

顧客の離脱ポイントを分析する

最後に、離脱の発生地点をデータで特定し、改善を繰り返すことが大切です。閲覧数やCTRだけで判断すると、Searchまでの成功に満足してしまいがちです。各ステップの遷移率、フォーム離脱率、資料請求後の商談化率などを追い、どこで止まっているかを分解しましょう。

原因が情報不足なのか、導線の摩擦なのか、信頼性の不足なのかを見極めると、施策の優先順位が整理され、再現性のある改善につながります。

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AISCEASを理解して施策を打っても、思うように成果が伸びない原因は「全体がつながっていない」ことにあります。広告で認知は取れているのに比較で負ける、検索流入はあるのに検討で止まるなど、ボトルネックが放置されると投資対効果が悪化します。

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まとめ

AISCEASは、注意から共有までの購買行動を分解し、施策を役割ごとに設計するためのフレームワークです。AIDMAやAISASと比べて、比較と検討を明確に扱えるため、情報収集が当たり前になった現代の意思決定に適しています。

成功の鍵は、各ステップの心理に合う情報を途切れさせず、離脱地点を特定して改善を回すことです。カスタマージャーニーマップで全体像を可視化し、売れる仕組みを整えていきましょう。

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