OOHとは？
OOH広告とは、Out Of Home Advertisingの略称で、屋外広告のことです。街頭、交通機関、商業施設、公園など、人々が外出している場所で表示される広告のことを指します。OOHの読み方は、アウトオブホームです。
OOH広告は、ポスターや看板、デジタルビルボード、バス停広告、電車内広告など、多様な形態で表示されます。また、近年では、デジタル技術の進歩により、インタラクティブなOHH広告も増えてきています。
OOH広告は、ターゲット層が外出している場所で表示されるため、リーチ効果が高く、広告主のブランド認知度を高めることができます。
また、繰り返し接触することで、消費者に強い印象を残すことができるため、購買意欲を刺激することも期待できます。
しかしながら、OOH広告の表示時間や場所によっては、消費者の注意が散漫になってしまう場合もあります。また、天候や季節の変化などの要因によっても、効果が大きく左右されることがあるため、広告主は注意が必要です。
一方で、最近ではOOH広告にデジタル技術を導入した「デジタルOOH広告」も登場しており、動画や音声などのマルチメディアコンテンツを活用したり、リアルタイムでのコンテンツ更新が可能になったりするなど、より高い効果を期待できるようになってきています。
OOH広告の種類とは？
OOH広告には幾つか種類が存在します。OOH広告は、屋外広告とも呼ばれ、消費者が家の外にいるときにリーチする広告の一形態です。ブランドの認知や想起を促す力があります。このタイプの広告は、企業が顧客に到達するための創造的な方法を探すにつれて、より人気が高まっています。しかし、OOH広告にはどのような種類があるのでしょうか。この記事では、OOH広告のさまざまな形態を探り、それぞれのメリットとデメリットを説明します。
ビルボード広告（看板）
OOH広告の中で最もよく知られているのがビルボードでしょう。高速道路などの幹線道路沿いに設置される大型の看板で、通行人の目を引くデザインが特徴です。看板には、複数のメッセージや高解像度の画像を掲載することができ、視認性とインパクトを最大限に高めることができます。しかし、看板は高価であり、多くの人々にアピールすることは困難です。
交通広告
交通広告もOOH広告の一種で、広告主が外出中に潜在顧客にアプローチすることができます。これらの広告は、通常、通勤者の注目を集めるために、バスや電車などの公共交通機関の車両の内外に配置されています。交通広告は非常に手頃な価格で、幅広い人々にリーチしますが、それはあなたのメッセージが他の広告の海の中で際立っていることを確認することは困難である可能性があります。
ストリートファニチャー広告
ストリートファニチャーとは、主に屋外の空間に設置される設備の事を指します。具体例として、道路のポールや公園のベンチ、電話ボックス、街灯などがあります。特に都市部において、多くの人にリーチできる広告です。これらの広告は斬新なものが多く、海外では、道路に設置されたポールがモンスターエナジーの広告なっているそうです。
他のOOH広告に比べると、少し変わった広告の出し方ではありますが、まちを楽しくするコンセプトとして動いている団体もあるそうです。
空中広告
空中広告とは、空中に表示する広告の事を指します。アメリカのニューヨークでは、2台のヘリコプターを使い、大きなスクリーンに映像を映し出し、投影を行いました。とてつもなく大きな画面がニューヨークの空に映し出されるので、広告効果はとても高く、ギネスにも認定されたそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=5nDf0jtF06w
空中に映像を浮かび上がらせる技術も存在します。株式会社アスカネットでは、空中映像の技術において特許を取得しており、空中ディスプレイとして面白い試みを行っています。
https://www.youtube.com/watch?v=FCwng3s8RAo&t=200s
デジタルサイネージ広告
デジタルサイネージは、駅構内などの柱に設置されているディスプレイ広告です。
ここでいうディスプレイ広告は、Webサイトに表示される広告枠とは異なります。
デジタルサイネージは、人目を引くデザインと高い視認性により、人気が高まっています。一般的にショッピングモール、スポーツアリーナ、空港など、人通りの多い場所に設置されています。他のOOH広告に比べると、柔軟性が高く、有線LANやWifiで端末を繋いでいるため、表示する広告も柔軟に変更する事が可能です。
アドバルーン広告
アドバルーン広告は、風船に広告を印刷して空に放って注目を集めることができます。具体例として、お祝いや新店オープンによく使われることが多く、商品やサービスを宣伝するマーケティング手法です。広告が印刷された風船は、ヘリウムなどのガスで膨らませて使用されます。
アドバルーン広告は、屋外イベントやフェスティバル、スポーツイベントなどの大規模な集客イベントでよく使用されます。また、オープンハウスや新規オープンのお店の宣伝など、特定の場所での宣伝にも有効です。
アドバルーン広告は、カラフルでインパクトのある広告表現が可能であり、遠くからでも視認性が高く、周囲と差別化することができるという利点があります。設置・撤去が容易であり、比較的低コストで実施できるというメリットもあります。
広告幕
広告幕とは、大型の布地やビニールシートに広告を印刷したもので、屋外広告の一種です。ショッピングポールがよく使うマーケティング手法です。ビルの壁面や建物の屋根、足場や鳥居などに張り出され、人々の目を引いて商品やサービスを宣伝することができます。
広告幕は、大きな面積を使用することができるため、遠くからでも視認性が高く、強いインパクトを与えることができます。また、耐久性に優れた素材を使用することで、長期間にわたって使用することができます。
広告幕は、イベント会場やスポーツ競技場などの大型施設での広告宣伝によく使用されます。また、道路沿いのビルの壁面に設置することで、通行人に広告をアピールすることもできます。
広告幕の製作は、プロモーション会社や広告代理店などの専門業者に依頼することが一般的です。製作には、デザインの制作、素材の選定、印刷、加工、設置などが含まれます。
参考：広告媒体の種類とは
OOH広告の事例（日本版）
OOH広告の事例をご紹介します。公共の場で目の当たりにする看板やディスプレイですが、具体的にどのような具体例があるのか気になる人も多いでしょう。OOH広告が使われている事例は、次の通りです。
ユニカビジョン
ユニカビジョンは、JR新宿駅東口付近にある大きな屋外ビジョン広告です。日本で乗降者数の多い新宿でOOH広告を行うことができます。
アルタビジョン新宿
アルタビジョンは、新宿アルタの3階～5階付近の壁面に埋め込まれた広告です。音声も出力することができ、10:00～24:00まで放映する事ができます。
通天閣のネオン
通天閣のネオン看板では、15分毎に色が変化してライトアップされます。現在は、HITACHIの社名や社会イノベーションなどの文言が入っていますが、今後も変更される見通しはなさそうです。
アドトラック
4tトラックの側面に大きな広告を張り、音声を流す事ができます。見た目がとても派手であるため、繁華街を走っている事がよくあります。
ブロック塀
ブロック塀に、クリニックなどの店舗案内の広告を掲載するケースもよくあります。住宅街の中でも、比較的交通量の多い場所に設置されることが多いです。
世界のOOH広告事例
OOH広告（屋外広告）は、世界的に使われています。先ほど日本で実際に使われているOOH広告の事例をご紹介致しましたが、世界ではどのようにOOH広告（屋外広告）が使われているのでしょうか。
今回は、世界で使われているOOH広告の実際の事例をご紹介します。ご紹介するOOH広告の国は次の通りです。
イギリスのOOH広告事例
イギリスのOOH広告事例をご紹介します。「Piccadilly Lights」は、ロンドンのピカデリーサーカスに位置するビルボード広告スクリーンで、長い歴史を持つ世界的に有名な広告スペースです。著名なブランドが広告を展示し、光の演出や動画コンテンツを使用して、視覚的に魅力的な広告キャンペーンを展開しています。
ドイツのOOH広告事例
ドイツのOOH広告事例をご紹介します。特に有名なのが「Tram Advertising」です。ドイツの都市であるベルリンやミュンヘンなどでは、路面電車の外側や内部に広告を掲示しています。市内を走行する路面電車は、多くの人々に広告メッセージを届ける機会を提供します。「Tram Advertising」はドイツの都市空間において、効果的なブランド認知とコミュニケーション手段として重要な役割を果たしています。
ブラジルのOOH広告事例
ブラジルのOOH広告事例をご紹介します。ブラジルの「Mídia em elevadores」をご存知でしょうか。ブラジルでは、エレベーターやエスカレーター内での広告展示が一般的です。高層ビルやショッピングモールなどの共有空間で、消費者が待機中に目にすることができる効果的な広告手法です。日本でも繁華街では見る機会がありますね。
ブラジルにおけるOOH広告の事例はどのようなものか気になる人も多いと思います。ブラジルの「グアルーリョス国際空港」はご存知でしょうか。
グアルーリョス国際空港は、ブラジル連邦共和国サンパウロにある国際空港であり、都心から北東方面に約25km離れた場所にあります。
ブラジルのサンパウロにあるグアルーリョス国際空港では、到着ロビーや出発ゲートなどでデジタル広告スクリーンを活用しています。広告メッセージを表示することで、国内外からの旅行者にブランドやサービスをアピールしています。
韓国のOOH広告事例
韓国のOOH広告事例をご紹介します。韓国の「Digital Bus Shelter」をご紹介します。韓国では、 「Digital Bus Shelter」 のように、バス停の待合所にデジタルサイネージが設置されています。広告メッセージの切り替えや動画コンテンツの再生が可能であり、通行人や待ち人々に広告をアピールすることができます。 「Digital Bus Shelter」 は、 都市部を中心に多くの広告主に利用され、革新的な広告体験を提供しています。
インドネシアのOOH広告事例
インドネシアのOOH広告事例をご紹介します。インドネシアの「Angkot Advertising」を知っていますか。インドネシアでは、路線バスである「アンコット」の車体を広告スペースとして活用しています。 多くの広告はカラフルで目を引くデザインで、商品やサービスを宣伝し、ブランド認知を高めるのに適しています。 車体に広告を掲示することで、都市部や交通量の多い地域を走行するバスが広告媒体となります。
オーストラリアのOOH広告事例
オーストラリアのOOH広告事例をご紹介します。オーストラリアの「Citylights」は有名ですね。オーストラリアの主要都市であるシドニーやメルボルンなどでは、街灯ポストに設置されたデジタル広告スクリーンで広告を展示しています。地元住民や観光客が多く集まる中心街で、目を引く広告を効果的に表示することができます。
フランスのOOH広告事例
フランスのOOH広告は、少し珍しいかもしれません。フランスではよく自転車が利用されています。フランスのパリ市内では、自転車シェアリングサービスである「Vélib’（ヴェリブ）」の自転車に広告が掲示されています。ユーザーが利用する自転車にブランドや広告メッセージを表示することで、都市内のさまざまな場所でブランド認知度を高めることができます。日本ではほとんど見た事はありませんね。
南アフリカ共和国のOOH広告事例
南アフリカ共和国におけるOOH広告の事例をご紹介します。南アフリカは日本から遠く離れた国であるため、あまりどのような国か知らない人も多いと思います。
南アフリカでは、よくタクシーを目にします。そのため、南アフリカでは、タクシーの車体を大型の広告キャンバスとして利用しています。タクシーにブランドや広告をラッピングすることで、都市の交通量の多い地域や観光地などで効果的な広告を展開することができます。
インドのOOH広告事例
インドのOOH広告はどのように実際使われているのでしょうか。事例を踏まえて、インドのOOH広告について説明したいと思います。
皆さんは、インドの「Railway Station Advertising」をご存知でしょうか。インドの鉄道駅では、プラットフォームや待合室、駅の壁面に広告を掲示しています。インドの鉄道はYoutubeでも話題になるので、一度は見た事がある人も多いかもしれません。
鉄道はインドで主要な交通手段の一つであり、駅での広告展示は広範な視聴者にリーチする効果的な方法となっています。日本でいう普通車とグリーン車で座席が決まってますが、一番安いクラスはキツイと良く聞きますね！
イタリアのOOH広告事例
イタリアの主要都市であるローマやミラノなどでは、地下鉄の駅や車内に広告を展示しています。地下鉄は日常的に多くの人々が利用するため、広告メッセージの露出度が高くなります。
スペリオルはイタリアのコーヒーブランドであり、イタリア各地の駅構内や公共スペースで広告キャンペーンを展開しています。駅の壁面に大きな広告ポスターを掲示し、美しいイメージと共に高品質なコーヒーをアピールしました。
タリアの自動車メーカーであるランツァは、ミラノ市内で地下鉄広告を活用して新車の宣伝を行いました。地下鉄駅のプラットフォームに大型のポスター広告を掲示し、スタイリッシュで高級感のある車の魅力を伝えています。
イタリアの高級ファッションブランドであるプラダは、ミラノのショッピング街やファッションエリアで広告展示を行っています。ビルボードやデジタルサイネージを活用し、洗練されたファッションアイテムやブランドのイメージを魅力的に伝えました。
イタリアのヴェネチアで開催される映画祭では、会場周辺や街中の広告スペースを活用した広告展示が行われます。映画館や広場に設置された大型スクリーンで映画の予告編やイベント情報を放映し、映画ファンにアピールしています。
OOH広告を効果的に利用する6つの戦略
OOH広告は、屋外での広告媒体ですが、効果的に利用するにはどうすれば良いのでしょうか。OOH広告の効果を最大化させる6つの戦略をお伝えします。
ペルソナに合わせること
ターゲットユーザーの属性や行動特性を考慮し、OOH広告のメッセージやデザインをカスタマイズしましょう。例えば、若年層向けのアパレルブランドが地下鉄駅構内に広告を掲示する際には、ファッションに興味を持つ若者が通りやすいエリアを選び、カラフルでポップなデザインを採用することが効果的です。
目を引くデザイン
デザインはユーザーの目を引く重要な要素です。色彩やレイアウトを工夫し、視覚的なインパクトを与えるデザインを作成しましょう。例えば、コーヒーチェーン店がバス停に設置する広告では、暖かみのある色合いやスチームが立ち上がるコーヒーカップのイメージを使うことで、通行人の注意を引くことができます。
簡潔に伝わる文言とキャッチコピー
OOH広告では限られたスペース内で伝わるメッセージを工夫する必要があります。短いキャッチコピーと具体的なメリットを組み合わせることで、ユーザーの関心を引きつけましょう。例えば、フィットネスクラブがバス広告で「1ヶ月で理想のボディを手に入れよう」というキャッチコピーを使用し、割引キャンペーンの情報も明示することで、興味を持ったユーザーが確認するきっかけを作ります。
SNSとの連携
OOH広告とSNSの連携は、ユーザーの参加を促し、広告効果を最大化する手段の一つです。例えば、公共の広告スペースにQRコードを掲示し、ユーザーがスマートフォンでスキャンすることで特典やキャンペーンに参加できるようにします。この参加型の仕組みを通じて、ユーザーは広告からSNS上に拡散し、広告主はユーザーとの関係を深めることができます。
ブログで掲載するまでの過程を公開
OOH広告の効果を最大化するためには、広告掲載までの過程をブログやSNSで公開することが有効です。例えば、特定の地域での広告掲示のプロセスやデザインの制作過程、広告効果の分析結果などを記事にまとめ、普段記事を読んでくれている読者に向けて記事にしてしまうのも１つの手法です。
このような取り組みを公開することで、ユーザーが広告の背後にある取り組みや情熱を知ることができます。公開された情報を通じて、広告主の真摯な姿勢や商品への情熱が伝わります。その結果、ユーザーは広告に対してより興味を持ち、ブランドに対する好意的なイメージを形成することができます。
分析と最適化
OOH広告の効果を最大化するためには、継続的な分析と最適化が欠かせません。データ分析を通じて、ユーザーのフィードバックや行動データを収集し、広告の改善点を特定します。
例えば、バス停の広告で特定のキャッチコピーを使用した場合にクリック率が上昇することが分析結果で明らかになった場合、同様のキャッチコピーを他の広告にも展開することで、広告全体の効果を向上させることができます。
継続的な最適化を行うためには、データ収集と分析が重要です。広告効果を測定するためのトラッキングツールやアナリティクスを活用し、広告への反応やユーザーの行動データを詳細に分析します。これにより、広告の効果的な要素や改善の余地を特定することができます。
例えば、地域ごとに展開されたバス停広告の成果を評価する場合、地域ごとの人口や競合他社の広告出稿状況などの外部要因も考慮しながら分析を行います。その結果、特定の地域での広告掲示の効果が高いことが判明した場合、予算の再配分やターゲットの絞り込みなどの最適化策を検討します。
最適化のためには、定期的なレポート作成や結果の評価が欠かせません。データを基にした客観的な判断を行い、必要な修正や改善点を把握しましょう。さらに、他の広告手法や競合他社の取り組みも観察し、市場のトレンドや新たなアイデアを取り入れることで、常に広告の最適な形態を追求します。
以上が、OOH広告の効果最大化に向けた具体的なポイントと事例です。ペルソナへの合わせ方や目を引くデザイン、簡潔な文言やキャッチコピーの活用、SNSとの連携、ブログでの公開、そしてデータ分析が重要です。
これらの要素を組み合わせることで、より効果的なOOH広告キャンペーンを実施し、集客やブランド認知の向上につなげることでしょう。
DOOHとは？DOOH広告に関する総合ガイド
DOOHとは、英語で（Digital Out of Home）の略であり、デジタルサイネージを指します。デジタルサイネージは、駅内広告や駅前の大型ディスプレイの屋外広告が有名です。
DOOH広告の事例
DOOH広告（デジタルサイネージ）が利用されている事例として、東京の新宿や渋谷の交差点の前で大型のディスプレイを見た事はありませんか。
多くの人が目にする位置にDOOH広告はあり、駅構内にもDOOH広告はあります。
![広告効果シミュレーションシステム | Use Case | PLATEAU [プラトー]](https://www.marke-media.net/whitepaper/wp-content/uploads/2023/10/デジタルサイネージの広告効果-1024x584.jpg)
まとめ
OOH広告は、企業が顧客に自社商品を広告するために人気が高まっています。OOH広告には多くの種類があり、それぞれ異なる利点と欠点があります。ターゲットを選定したあとは、従来のビルボード広告（看板）からデジタル広告までどれが一番最善の選択肢であるか考え、実行する必要があります。さまざまなOOH広告がある中で、一番費用対効果が高いか選択することが重要です。
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