「ファンマーケティングを実施したいが、どのように始めればいいかわからない」
「自社のサービスや商品を知ってもらうために、他社の企業事例を知りたい」
そんな悩みを抱えていますか?ファンマーケティングを実践することで、顧客と長期的な関係構築をすることができ、企業の売り上げも安定し、事業の成長に役立ちます。
誰でも簡単に実践できるファンづくりの方法やファンマーケティングの始め方、他社の成功事例を確認しよう!これからファンを獲得し、LTVを高めたいと考える企業担当者にとって、役立つ知識を提供する内容だよ!
ファンマーケティングとは?
ファンマーケティングとは、顧客を「ファン」に育てることで、ブランドに対して強いロイヤルティを持たせ、繰り返し利用してもらうマーケティング手法です。ファンは、ブランドの製品やサービスを購入するだけでなく、友人や家族にその魅力を積極的に伝えたり、SNSで自発的に宣伝したりしてくれます。
下記は、アジャイルメディア・ネットワーク株式会社が2022年に、1,114人のSNS利用者に対して、クチコミが購入・来店に与える影響について調査した結果です。
調査結果では、口コミを見て、再び商品やサービスを継続して購入したと回答した人が1,114人中で408名(62%)です。
自社のファンを獲得し、自然にXやInstagram等のSNSで良い評判や口コミが広がることで、自社のブランドが確立され、事業成長にも役立ちます。
そのため、ファンマーケティングでは、単なる一方的な広告や割引キャンペーンに依存するのではなく、顧客との感情的なつながりを築くことが重要です。
ファンマーケティングは、ただの一時的な売上向上策ではなく、長期的な信頼関係を築き、ブランドの持続的な成長を目指すマーケティング手法です。
ファンマーケティングのメリット
ファンマーケティングには、顧客ロイヤルティを高め、ビジネスに長期的な利益をもたらす多くのメリットがあります。以下は、その具体的なメリットです。
ファンマーケティングを通じて、企業はコストを抑えながら、長期的な顧客関係を築き、競争力を高めることができます。
簡単にファンづくりをする方法
ファンを作り、関係を深めるには、手軽に始められる効果的な手法があります。以下の具体的なステップを取り入れることで、今すぐファンマーケティングを実践することが可能です。
簡単にファンづくりをする方法について、一つずつ見ていきましょう。
SNSでファンと積極的にコミュニケーションを取る
SNSは、ファンと繋がるために大切です。たとえば、ファンからの質問に答えたり、コメントに対して迅速に返信することで、信頼感と親近感を築くことができます。定期的にQ&Aを行うことも、ファンのエンゲージメントを高める方法です。
限定コンテンツや特典を提供する
ファン限定のコンテンツを提供することで、特別感を演出できるでしょう。ライブを行うアーティストは、ファンクラブを作って月額の会員費を徴収する代わりに、先行のチケット販売などを実施したり、BtoB系のビジネスでいえば、メルマガ登録者限定で特別なコンテンツを配信しています。
ファン限定のイベントやクーポンで、特別感を演出する
ファンに対して特別なイベントやクーポンを提供することは、リピート率を高める戦略としても有効です。オンラインイベントや限定クーポンを活用することで、ファンに「この企業と繋がっていると自身にとって有益な情報を受け取ることができる」と感じてもらうことができます。
UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用する
ファンが自発的に投稿するコンテンツを活用することも、ファンづくりには欠かせない要素です。ファンがSNSに投稿した写真やコメントを企業がシェアすることで、ファンとの繋がりが強くなります。また、他の潜在顧客にとっても強力な推薦材料となります。
似た内容として、Webサイト系でいえば、UGCサイトがあります。例えば、UGCサイトの例として、企業の口コミを記載するOpenWorkや、SaaS系ツールの評判を投稿するITreviewがあります。
ファンマーケティングの始め方
ファンマーケティングを始めるためには、基本的なステップを押さえておくことが大切です。ここでは、初心者でもすぐに取り組める具体的な方法をわかりやすく説明します。
ファンとなる顧客を明確にする
まずは、どんな人が自社のファンになってくれるかを明確にすることが重要です。例えば、すでに商品をよく購入している人やSNSでブランドに言及している人を探すことから始めます。CRM(顧客管理システム)を使うと、購入履歴や問い合わせ履歴を簡単に調べることができ、ファンになりそうな人を見つけることができます。
例えば、アパレルブランドが、メールマガジンの開封率やSNSでのコメントを元に、関心を持っているユーザーを特定し、その人たちに特別な割引クーポンを提供してファンを増やすファンマーケティングがあります。
顧客を年齢や趣味でグループに分ける
顧客を年齢や趣味、興味でグループに分けると、それぞれに合ったアプローチができるようになります。例えば、若者にはInstagramやTikTokで動画を使ったキャンペーンを展開し、年配の方にはニュースレターやメールを通じてアプローチすることが効果的です。
例えば、化粧品会社が、20代のスキンケアに関心があるユーザーにはインフルエンサーを活用した動画コンテンツを、40代以上にはアンチエイジング商品を紹介するニュースレターを送るといった具合にセグメント化してアプローチするファンマーケティング手法があります。
自社の想いをファンに伝える
ブランドがどうしてできたのか、どんな想いで運営されているのかを伝えることで、顧客に感情的なつながりを持ってもらうことができます。Youtubeなどで、企業の裏側のようなドキュメンタリー映像を見る機会はありませんか?
商品の開発秘話や企業の理念をSNSやブログで定期的に発信すると、顧客はそのブランドに親しみを感じやすくなります。
例えば、オーガニック食品を扱う企業が、環境に優しい農業の取り組みを紹介することで、エコ意識の高い顧客層との距離感を縮めるファンマーケティングがあります。
インフルエンサーと連携する
影響力のあるインフルエンサーを活用することで、短期間で多くのファンを獲得することが可能です。特に、フォロワーが少ないマイクロインフルエンサーでも、深い信頼関係を築いているフォロワーに対して強い影響力を持っているため、効果的です。
例えば、コスメブランドが、フォロワーが数千人のナノインフルエンサーやマイクロインフルエンサーに商品を提供し、彼女たちがその商品をSNSで紹介することで、フォロワーの関心を引き、ファンを増やすファンマーケティング手法があります。
SNSでのキャンペーンを活用する
SNSでのキャンペーンは、ファンを増やすための簡単で効果的な方法です。例えば、特定のハッシュタグをつけて投稿してもらい、その中から選ばれた投稿をブランドの公式アカウントでシェアするという形のキャンペーンがあります。これにより、顧客が積極的に参加し、ブランドのファンが増える効果が期待できます。
しかし、プレゼントキャンペーンを実施すると、フォロワーは増えて認知度は向上しますが、自社の商品に興味を持つのかは不明であるため、注意が必要です。BtoC向けの商品やサービスはXを活用したプレゼントキャンペーンは効果的かもしれません。
SNSでのキャンペーンを活用する具体例として、ファッションブランドが、ユーザーに自分のコーディネート写真をハッシュタグ付きで投稿させ、その中から選ばれた写真を公式アカウントでリポストすることで、顧客の参加を促し、エンゲージメントを高めるなどのファンマーケティングのやり方があります。
ファンとのコミュニケーションをとる
ファンとのやり取りを日常的に行うことで、より深い関係を築くことができます。コメントやメッセージに対して積極的に返信したり、定期的にQ&Aセッションやライブ配信を行うことで、ファンはブランドとの距離が縮まったと感じるようになります。
例えば、スポーツブランドが、インスタライブで製品の使い方を紹介しながら、視聴者の質問にリアルタイムで答えることで、ファンの信頼を深め、商品の購入に繋げるファンマーケティングもおすすめです。
他にも、Xのアルゴリズムでは、ファンからのリプライに対して、返信を行うと、おすすめのタイムラインに表示されやすくなるため、リプライは積極的に行いましょう。
このような具体的な方法を実践すれば、誰でも簡単にファンを作り、LTV(生涯顧客価値)を向上させることができるでしょう。
ファンマーケティングの企業事例6選
ファンマーケティングを成功させるために、他社の企業事例を知りたいと考えてる企業のマーケティング担当者向けに、6つの企業事例を紹介します。
家電製品のSHARPの事例
家電製品のSHARPでは、Xでユーザーと繋がりやすいような投稿をしており、Xのフォロワーは9月11日時点で、83万人を超えています。X(旧Twitter)では度々誤ツイートによって、企業のSNS運用が問題になっていますが、SHARPは企業の公式アカウントとして成功した珍しい事例です。
投稿も面白く、X上でのファンも多いため、広告を打たなくても、自社製品の認知度を高めたいときに、Xでツイートするだけで多くのファンに知ってもらうことができます。
コスメブランドのLushの事例
Lushは、コスメ業界で特にユニークなファンマーケティング戦略を取っています。Lush Labsというプラットフォームを立ち上げ、製品開発の段階からファンのフィードバックを集めています。
また、実験的な商品をテスト販売し、ファンからのフィードバックを基に商品化するかどうかを決定します。ファンにプロダクト開発に直接関与させ、単なる購入者ではなく、共創者としてのポジション体験を与えています。
クラウドファンディングのCAMPFIREの事例
クラウドファンディングプラットフォームのCAMPFIREは、特定の地域やテーマに関連するプロジェクトを立ち上げ、その支持者(ファン)が資金提供を通じてプロジェクトの成功に寄与する仕組みを持っています。
地域に根ざしたプロジェクトや文化的なテーマに特化した内容は、一般的なファンマーケティングとは異なり、特定の価値観やアイデンティティを共有する人々に向けたアプローチです。
玩具メーカーのレゴ(LEGO)の事例
レゴは、ファンが自らデザインした作品をオンラインで投稿し、他のファンが投票するプラットフォーム「LEGO Ideas」を展開しています。このシステムでは、一定数の支持を得たデザインが実際に商品化される可能性があり、ファンが直接製品作りに関わる機会を提供しています。
レゴファンの中でも特にクリエイティブな層に向けたこのマーケティング手法は、他の企業が採用していないユニークなアプローチです。
アイドルグループのAKB48の「握手会」の事例
AKB48は「会いに行けるアイドル」というコンセプトを掲げ、ファンとの接触機会を大幅に増やす「握手会」や「総選挙」を行っています。握手会では、CDを購入することで握手券が手に入り、ファンがアイドルと直接コミュニケーションを取れる場を提供しています。この戦略により、ファンのエンゲージメントが高まり、CDの売り上げが飛躍的に伸びました。
ファンとの物理的な接触を積極的に活用することで、アイドルとの距離感を縮めています。また、「総選挙」のようにファンがアイドルの未来を決める要素を導入し、応援するほど、ランキングが向上するため、大金をつぎ込んで応援する人もいます。
Vtuber事務所のホロライブプロダクションの事例
ホロライブは、Vtuberを中心にアニメっぽいキャラクターとしての魅力を打ち出し、Vtuberのアイドル的存在として認識されています。
ホロライブのVtuberたちは、YouTubeでの配信活動を通じて、ファンとのコミュニケーションを積極的に行い、視聴者参加型のコンテンツを多数提供しており、ファンはVtuberにスーパーチャットを通じて応援し、直接的なやりとりを楽しめることが大きな魅力です。
視聴者が直接コメントしたり、投げ銭(スーパーチャット)で応援できるシステムによって、ファン化が進み、メンバーシップやグッズ販売、ライブイベントなども活用して、より濃密なファンとの関係を築いています。
ファンマーケティングのデメリットと注意点
ファンマーケティングには多くのメリットがありますが、デメリットや注意点もあります。効果的に活用するためには、これらの側面を理解し、対策を取ることが重要です。
ファンに依存しすぎると危ない
ファンマーケティングでは、熱心なファンが支持してくれる一方で、ファンに依存しすぎるリスクも存在します。ブランドがファン層に過度に依存すると、新規顧客を引き寄せるためのマーケティング活動が疎かになる可能性があります。ファン層だけに集中しすぎないようにしましょう。
ファンの期待に応えられないケースを考慮しなければならない
ファンマーケティングは、顧客の期待が高まるため、その期待に応えられなかった場合にブランドへの批判やネガティブな反応が出やすいです。例えば、ファンが新商品やキャンペーンに対して強い期待を抱いている場合、その期待に応えられないと信頼を損ねかねません。
ファンコミュニティの管理が難しい
大規模なファンコミュニティが形成されると、時にコミュニティ内部でのトラブルや不満が発生することがあります。これが放置されると、ブランドイメージに悪影響を与えることもあります。コミュニティの運営には、適切に行っていく必要があるでしょう。
ファンの意見を重視しすぎてしまう
ファンの声に耳を傾けることは重要ですが、あまりにもファンの意見を重視しすぎると、本来設定していたKGI、KPIとは違った方向に進む可能性があります。ファンの意見に過度に引っ張られることで、長期的なマーケティング戦略・集客戦略がブレてしまうことも考えられるので、注意してください。
ファンの熱が冷める時期がくる
ファンマーケティングは一時的な盛り上がりを見せることが多く、キャンペーン終了後に効果が薄れる場合があります。特に、SNSでのキャンペーンが終わるとファンの熱が冷めることがあるため、長期的な効果を見据えた取り組みが大切です。
ファンマーケティングは強力なマーケティング手法ですが、その効果を最大限に活かすためには、これらのデメリットに対する対策を講じることが重要です。
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