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BtoB企業に求められるマーケティングオートメーションツールとは
そもそもマーケティングオートメーション(MA)とは?
MAとは、「獲得した見込み客(リード)に対して、メールマーケティングなどの販促活動を行うことで顧客育成を行い、購買意欲を高まった段階で営業部隊に引き渡す」といった一連の流れを自動化する施策を意味します。マーケティングのプロセスを見える化・自動化することによって、マーケティングと営業の双方を効率化し、マーケティング全体の成果を最大化することが狙いです。
MA選びの一歩目で失敗しないために…
BtoBマーケティングに求められるMAは、主に案件創出を自動化・効率化する目的で活用されます。例えば、コンテンツの生成を効率化することで「リード獲得」をスムーズに行う、メール配信を精緻化して「リード育成」を効果的に行う、スコアリングを実施して見込み客をランク付けすることで「リード選別」を円滑化する、といった具合です。
各MAツールには得意分野が異なるため、大まかにどんなタイプのMAツールがあるのか把握することは極めて重要なのです。
■コンセプトの違いから見るMAツール
MAという概念には、明確な定義がなされていない現状があります。だからこそ、各MAツールのコンセプトも様々です。
おおまかな分類を見てみると、MAツールには次の4類型が存在しています。
①メールマーケティング型のMAツール
比較的多くのツールが乱立している「メールマーケティング型」のMAツール。元々は、ユーザーの嗜好に応じたメールの出し分けや、ステップメールの配信から出発したツールです。通常のサーバーからでは配信が難しい大量の配信や、デザイン性に優れたHTMLメールの生成・配信が容易に行うことができるなどの特徴があります。
②CMS型のMAツール
Webサイトの記事生成やバナー、LPO、広告の管理を効率化するためのMAです。各コンテンツの出し分けによって、リードの認知拡大を行ったり、興味関心を高めたりすることを得意としています。
③キャンペーンマネジメント型のMAツール
キャンペーン単位でのシナリオ生成や効果測定を得意とするMAツールです。施策の設計から実行、検証に至るまで、マーケター自身が簡単に行うことのできる機能が提供されています。各キャンペーンやプロジェクトごとに予算を振り分けて行う施策に最適なタイプです。
④統合型のMAツール
リードジェネレーション(リード創出)のプロセス全体を捉えた「統合型のMAツール」は、戦略的な運用設計が求められる一方で、バランスの取れたマーケティングの実現に最適な形態です。SFAやアクセス解析ツールなどとの連携を行うことで、組織全体のマーケティングプロセスを効率化できる可能性を秘めています。
■得意とするプロセスの違いから見るMAツール
続いて、得意とするプロセスを基点に、前述したMAツールのコンセプトを比較してみましょう。
①リードジェネレーション(見込み客の獲得)
リードを獲得するための活動としては、コンテンツの増強を始めとする「新たな関係性を生み出すための施策」が求められます。そのような意味では、投稿記事の管理やLPの管理を行うことができる「CMS型のMAツール」が最も適していると言えます。
②リードナーチャリング(見込み客の育成)
獲得したリードを育成するためには、リードの関心分野に応じて、適切なコンテンツを配信する必要があります。ここではプル型よりもプッシュ型のコンテンツ配信を行い、より新鮮な情報をリアルタイムで届けることが大切です。例えば、企業の課題や関心に基づいた特集コンテンツ(連載記事やホワイトペーパーなど)や、オンライン型のセミナーにあたる「ウェビナー」などが一般的です。このような利用シーンでは 「メールマーケティング型のMAツール」が最適です。
③リードクオリフィケーション(見込み客の選別)
リードを選別し、顧客化へと導くプロセスでは、見込み客の購買意欲を高めるシナリオの実行が施策の軸となります。そして、各コンテンツへの反応度合いを数値化(スコアリング)することで、対象者を絞り込みオファーを行っていきます。この一連の流れを行う上では、シナリオ設計・実行やそれらの測定機能が充実している「キャンペーンマネジメント型のMAツール」が適しています。
④デマンドジェネレーション全般(見込み客創出全般)
ここまででご紹介した全てのプロセスを統合した上位概念が「デマンドジェネレーション」です。コンテンツ管理から配信、シナリオの実行まで首尾一貫した施策を実行するためには「統合型のMAツール」が必要になります。ただし、複数の部門を跨いだり、複数のデータベースを統合したりする必要性が出てくることも珍しくありません。そのため、スモールスタートという選択肢はあるのか、組織全体で一体となった取り組みが可能かどうか、といった観点を確認したうえで、綿密な戦略に基づいた導入設計が必要になります。
ツール選定時に確認したいチェックポイント
今回ご紹介したコンセプトや分類は、主に次の観点から構成されています。自社のマーケティング・ゴールに合わせて、これらの要素に対して優先順位を付けた上でツール選定を進めていきましょう。
①基本機能は充実しているか?
②オプション機能には何があるか?
③外部ツールとの連携は可能か?
④操作性(UI/UX)には優れているか?
⑤料金プランにはどのような形態があるか?
⑥導入までにどの程度の期間を要するのか?
⑦サポート内容(導入サポート、運用サポート)は充実しているか?
⑧導入実績は十分か?※同業界、自社と似た課題を持った企業の事例はあるか?
続いて、上記の内容を踏まえて比較しても、つい見落としてしまうポイントをご紹介します。
MAツール選定の際に「見落としがちな観点」
自社にとっての優先順位を明確にしても、実際に運用を開始しないと見えてこない点は多々あります。導入後にトラブルに見舞われたり、「こんなはずじゃなかったのに…!」という事態に遭遇したりすることがないように、次の「見落としがちな観点」についても念入りにチェックしたうえでツール選定を行いましょう。
観点1. 拡張性
MAツールの多くは、クラウド型のプラットフォームサービスを提供しており、各企業で共通に対して共通の機能を提供することで、費用を低減させているケースが多々あります。だからこそ、「えっ、ここは自由にカスタマイズできないの?」「この外部ツールと連携ってできないの?」という事態が発生し得ます。MAツールを選定する際には、最低でも1~3年後を見据えたプランを立てた上で導入設計を行いましょう。
観点2. メンテナンス性
自社にあったカスタマイズを施すことができても、追加費用は思わぬところに発生することがあります。それは、「外部ツールのアップデートに伴う、チューニングコスト」です。例えば、「ツールZ」というMAツールを導入していたとして、「ツールY」というSFA、そして「ツールX」というSNSと連携させていたとします。その場合、「ツールY」や「ツールX」のアップデート(アップグレード)が発生した際には、そこに連携接続させている「ツールZ」のプログラム変更も必要になるのです。メンテナンスコストは「ツールとツールの間」にも発生するという事実を忘れずに、事前の確認を行いましょう。
観点3. ケーススタディ/ノウハウの豊富さ
MAは、まだまだ新しい領域です。だからこそ、各社の得意分野や提案力の差を見極める必要があります。優れたMAツールも、緻密なコンテンツ戦略やシナリオ設計に基づいて運用しなければ、思うような効果を発揮することはできません。
MAツールを提供している企業の「営業部隊と運用部隊の連携具合」も事前にチェックしたうえで、ツール選定を進めていきましょう。
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