目次
テレアポが限界に直面する背景にあることとは?
マーケティング&セールスの過程でで、テレアポが担うのは顧客との初期接点のタイミングにあたります。その接点を、電話を用いてアポイント(商談)へと変えていくための施策がテレマーケティングです。
しかし、Think Googleが発表した調査結果によると、BtoB領域の購買担当者は営業担当者との接点を持つ前に「意思決定のプロセスを57%済ませている」ということが明らかになっています。これはすなわち、営業マンとの商談に臨む前に、意思決定の半分以上が完了してしまっている、ということを意味します。つまり、商談の席に着く前にどれだけ自社商材を選んでもらえるための情報提供ができるか、真剣に考える必要が出てきているのです。
>> The Digital Evolution in B2B Marketing – Think Google
基本的には、マーケティングファネルを念頭におくべし
では、顧客との初期接点を考えるにあたり、どのようなステップを考えればよいのでしょうか。ここで念頭に置くべきなのが、マーケティングファネルです。セールス&マーケティング領域で参考にすべきモデルとしては、セールスフォース・ドットコムが提唱する「THE MODEL」を始めとする様々な概念が存在していますが、今回は、デマンドジェネレーションで用いる一連の流れを軸に考えていきます。
デマンドジェネレーションとは、マーケティング活動を経て得られた見込み客を効率的にセールス担当に渡していく一連の活動のことを指し、その内容は次の3つから構成されています。
①見込み客獲得(リードジェネレーション)
②見込み客育成(リードナーチャリング)
③見込み客の選別絞込み(リードクォリフィケーション)
上記のプロセスに無理やり当てはめるならば、従来のテレマーケティング(テレアポ)は、上記の①の部分を「電話をかける」ことで担っていたことになります。そして、②・③については、実際に顧客と対話し、場合によっては複数回訪問(商談)する中で進めて行ったといえます。
では、デマンドジェネレーションのプロセスを元に考えると、顧客との初期接点を生み出すために、どのようなアプローチが考えられるのでしょうか。
テレアポで消耗しないために実施したい2大施策
一つ目のアプローチは、インバウンド型のマーケティング手法です。これは、デマンドジェネレーションの考え方そのものを意味しており、自社商品に興味を持ちそうな顧客を「見込み客」と定義し、アプローチを行う手法です。
もう一つのアプローチは、アウトバウンド型のマーケティング手法です。こちらは従来型のテレアポに近い形ですが、そのプロセスの一部をアウトソースすることで、デマンドジェネレーションに近い形での営業プロセスを構築することが可能になります。
そして、これら2つの分類の見方を変えると、次のように言い換えることもできます。
(1)インバウンド型:自身で課題・二-ズを認識している「顕在ニーズ層」へのアプローチ
(2)アウトバウンド型:自身ではまだ気付いていない「潜在ニーズ層」へのアプローチ
当然ながら、インバウンド型ではニーズがあるお客様に対してアプローチするため、商談獲得の効率は格段にアップします。
しかし、顕在ニーズ層は自ら積極的に情報収集をしているため、ニーズに合致した提案さえできれば受注しやすい顧客層ではありますが、数は少ないといえます。逆に、アウトバウンド型で接点を持つことのできる「潜在ニーズ層」は、ニーズを引き出す作業から取りかかる必要があるものの、ボリュームはあります。
これらの考え方を踏まえて、具体的な方法論を見ていきましょう。
インバウンド型のマーケティングを実践する3つの手法
顕在ユーザー獲得の王道【SEM(リスティング広告・SEO)】
ニーズが顕在化している可能性の高いユーザーを獲得するための手法としては王道です。SEMの重要性についてはすでに多くのサイトでも紹介され、ご存知の方も多いかと思います。リスティング広告運用、SEO施策は効果をあげるための手法が多岐にわたり複雑化しているので、自社で行こうとしたら相当の覚悟が必要です。まずは専門家に相談することをおすすめします。
・リスティング広告運用の専門家一覧
自社サイトの行動履歴を可視化してアプローチ【MA(マーケティングオートメーション】
自社サイトでお問合せや資料請求をしてくれるユーザーはサイト来訪者の何%いるかをチェックしてみてください。ちなみに弊社サイトでは3%ぐらいで、97%の方は何もアクションをせずに閲覧だけしています。こうした「閲覧だけユーザー」の行動を可視化して状況を把握することができるのがMA(マーケティングオートメーション)ツールです。
見込み顧客毎の有望度合いをスコア化する機能や、有望と思われる見込み顧客情報を通知する機能などを活用することで、効率的な商談発掘に活用することがてぎるのです。弊社もMAを活用していますが本当に便利です!
・BtoB企業におすすめのマーケティングオートメーション(MA)ツール一覧
・BtoC企業におすすめのマーケティングオートメーション(MA)・CRMツール一覧
潜在ユーザーを大量獲得できる【ホワイトペーパーマーケティング】
ホワイトペーパーとは、最近BtoB企業で活用が急増している見込み客獲得のためのマーケティングツールです。主に自社が持つノウハウや事例コンテンツを中心に作成された資料で、顧客のニーズや抱えている課題起点で作成することで多くのターゲットを惹きつけることができます。ホワイトペーパーはオウンドメディアや外部の資料ダウンロードサイトに掲載し、個人情報と引き換えに配布するのが一般的です。
ホワイトペーパーで紹介されている貴社のノウハウや解決できる課題に関心を持った潜在客(未来の見込み客)の情報を収集できるため、フォロー活動を適切に行うことで効率的に商談を獲得することができます。
・ホワイトペーパーを活用したリード獲得サービス「マーケCloud」
続いて、アウトバウンド型のマーケティング手法をご紹介します。
アウトバウンド型のマーケティングを実践する手法
商談を効率的に生み出すマーケティングサービスと同時に注目されているのが新規の商談獲得や見込み客獲得のためのアプローチを代行してくれるサービスを「アウトソーシングサービス」と呼びます。「人手が足りない」「どのように実行したらいいかわからない」といった課題を抱えている場合に活用したいサービスです。
そして、自社で行うテレアポに限界を感じているならば、その部分だけをアウトソーシングしてしまい、獲得できたアポイントを「見込み客」と見立てて、訪問に臨む方法が考えられます。そこで活用したいサービスとしては、次の2つがあります。
商談アポ獲得のアウトソーシングサービス
マーケティングオートメーション(MA)ツールや各社リードジェネレーションサービスにより、やみくもなテレアポ中心・足で稼ぐ営業活動から「ITを活用した効率的な営業活動」にシフトできる環境が整っています。ただ、これらを実践して確度の高い見込み客情報を収集しても、商談アポを獲得するためには定期的にアプローチ活動を行わないといけません。中でも直接対話をすることでニーズや確度状況を引き出すことができる「電話によるアプローチ」は欠かせません。こうしたテレマーケティングはトークスクリプトの設計から架電時間の確保など一定の工数がかかる活動です。「営業マンは外出が多く架電する時間がない」「架電スタッフを採用して社内の販売管理費をあげたくない」という企業様には商談アポ獲得のためのテレマーケティング業務をアウトソーシングすることをおすすめします。
・【厳選】テレアポ代行会社一覧
アタックリスト作成+Webアプローチ代行
こちらの手法は、「見込み客情報が少ない」「MAツールを導入していない」という企業様におすすめです。
新規開拓のアプローチ手法として多くの企業が実践しているWebサイトのお問合せフォームからのアプローチ。実践したことがある方ならお分かりかもしれませんが、該当するターゲット企業を検索して見つけ出し、フォームからメールを書いて送信するという活動は思いのほか時間がかかるものです。しかもアプローチをしたものの「どこにアプローチをしたのか忘れてしまった」「反響(返信)がほぼない」などその効果が工数に見合っているかどうかわからないという方も多いではないでしょうか。
こうしたアタックリスト作成と問合せフォームからのアプローチを代行するサービスが登場しています。
テレアポ一辺倒の営業から脱却し、複数の施策を比較検討しよう
今回ご紹介した手法は、いずれもテレアポ一辺倒のセールス以外の手法を示したものになります。前述したように、購買担当者の動きに変化が見られる今、商談に臨むまでの準備や、リードジェネレーション(見込み客の獲得)、リードナーチャリング(見込み客の育成)のあり方が営業成果を左右する時代になっています。だからこそ、「経験と勘と度胸」で勝負する量的な営業ではなく、ターゲットを見極めてスマートに活動を展開する質的な営業が求められていると言えます。
ぜひ複数の手法の中から自社にあった営業手法を見つけて、効率的な商談創出を実現してください。また、効率的な商談創出を支援するマーケティングサービスをお探しでしたら、マーケティングPartnersにてまとめた比較表を参考にしてみてください。