マーケティングの手法や考え方は、時代の変遷に合わせて年々変化しています。製品中心のマーケティングから消費者志向、価値主義へと代わり、モノや情報が溢れている近年では消費者が自己実現を求めるようになりました。
そのような中で、企業がマーケティングに活用するようになったのがSNSです。今回は、SNSマーケティングのひとつである「YouTubeマーケティング」について、そのメリットや成功のポイントをご紹介します。
この記事で解説する内容は、次の通りです。
YouTubeマーケティングとは
YouTubeマーケティングとは、動画投稿サイトYouTubeを活用したマーケティング手法です。
世界最大の動画共有サイトであるYouTubeのアクティブユーザー数は、日本国内だけでも7,000万人以上、世界で25億人以上と言われています。世代問わず多くの層で利用されているため、上手く活用すれば非常に高い広告効果が得られるでしょう。
YouTubeマーケティングの種類
企業がYoutubeマーケティングで成功するためには、どのような種類があるのか理解する必要があります。
YouTubeマーケティングには、大きく分けて次の3種類があります。
- 自社YouTubeチャンネルの運用
- YouTube広告の利用
- YouTuberの起用
自社YouTubeチャンネルの運用
自社の公式YouTubeチャンネルを解説して、動画コンテンツを配信する手法です。チャンネル登録者を増やすことでファンを獲得し、高評価を得て拡散されると見込み顧客の取り込みにも繋がります。
また撮影した動画をアップロードするだけでなく、ライブ配信でリアルタイムに情報を発信することも可能です。
YouTube広告の利用
YouTubeのサイト内に広告を出すマーケティング手法です。チャンネルを開設しなくても、ユーザーに動画を認知してもらえるのがメリットです。
YouTube広告は複数の種類が選択できるため、戦略に沿った次のような種類があります。
インストリーム広告：動画の再生中、または再生の前後に表示されるもの。再生開始から5秒経過後にスキップできるものとスキップ不可のものがある。
インフィード広告：検索結果や関連動画の横、モバイルのトップページに表示されるもの。動画のサムネイルとテキストが表示される。クリックすることで動画広告が再生される。
バンパー広告：動画の再生中、もしくは再生前後に表示される6秒以内のもの。スキップ不可。
マストヘッド広告：ホームフィード（トップページ）に表示される広告。予約型で、代理店を通じてGoogleの営業担当者に広告枠を発注してもらう必要がある。
アウトストリーム広告：動画コンテンツの外で表示されるモバイル専用の動画広告。音声なしで再生される。
オーバーレイ広告：動画再生画面の下部20%に、画像またはテキストで表示される。パソコンのみ。
YouTuberの起用
インフルエンサーとなる人気YouTuberを動画マーケティングに起用する手法です。企業コラボや案件動画とも呼ばれています。
具体的には、YouTuberのチャンネル内で企業の商品やサービスを紹介する動画を投稿してもらうことで、広告に嫌悪感がある人たちの視聴も期待できます。
一例として、チャンネル登録者数の多い人気YouTuberとコラボすれば一気に拡散されて、自社の認知度や利益の向上など、さまざまな効果が得られるでしょう。
ただし企業のブランドイメージとかけ離れたYouTuberを起用してしまったり、起用したYouTuberが別に案件で炎上したりすると、逆効果になる可能性もあるので注意が必要です。
Youtuberに依頼する場合に成功するポイントとしては、自社と相性の良いインフルエンサーを起用することです。そうする事で、CPAを下げる事ができるでしょう。※CPA＝顧客獲得単価
YouTubeマーケティングのメリット
YouTubeマーケティング導入によるメリットは、おもに次の4つです。
幅広い層のユーザーに認知してもらえる
YouTubeは利用世代が非常に幅広く、年代や男女問わず多くの人が利用しているサービスです。そのためこれまでアプローチできていなかったユーザー層にも、動画を通じて自社を認知してもらえる機会が増えます。
また動画に関連リンクを埋め込んだり画面上に文字を表示したりする「アノテーション機能」を利用すれば、興味を持ったユーザーを自社サイトなどへ誘導できて、次のアクションに繋げられるでしょう。
動画コンテンツそのものが資産になる
動画コンテンツはテキストコンテンツよりも情報量が多く、文字だけでは表現しづらいことも伝えやすいのが特徴です。自社の宣伝だけでなく、製品マニュアルやFAQなど、多くの機能を果たします。
質の高い動画コンテンツを制作して定期的にYouTubeで公開していれば、動画そのものが自社の資産となるでしょう。
ユーザーの動向が分析できる
YouTubeが無料で提供しているアクセス解析サービス「YouTubeアナリティクス」を利用して、ユーザー動向の分析が可能です。
動画の再生数、再生継続時間、再生維持率、流入元のほか、どのくらいのユーザーが広告をクリックしたかといったアクションなどが分かるため、数字を分析したうえで動画内容の改善が図れます。
ブランディングができる
YouTubeの動画では、企業が伝えたい情報を直接伝えられます。そのためブランディングしやすく、自社の商品やサービス、企業カラーなどが前面に押し出せるのがメリットです。
さらにコメント欄などを通してユーザーとコミュケーションを取ることで、距離感を縮めてコアなファンの獲得に繋げられるでしょう。
YouTubeマーケティングのデメリット
YouTubeマーケティングには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。
動画制作のコストがかかる
良質な動画コンテンツを制作するには、費用や時間といったコストがかかります。企業にノウハウがない場合は外注という手段もありますが、継続的にYouTubeマーケティングを運用する場合は、どのような体制で運用していくのかあらかじめ決めておきましょう。
炎上リスクがある
YouTubeの動画は拡散力が高く、多くのファンが得られる一方で“アンチ”と呼ばれる否定的なユーザーを作る可能性もあります。動画の内容が原因で炎上すると企業イメージに大きく影響してしまうため、コンプライアンスに十分配慮して動画を制作しましょう。
YouTubeマーケティング成功のポイント
それでは、個人のみならず企業がYouTubeマーケティングを成功させるには、どのようなことを意識すればいいのでしょうか。
今回は6つのポイントをご紹介しますが、Youtubeだけに限った動画マーケティングの話ではなく、SNSのTikTokやX（Twitter）にも参考にして下さい！
ターゲットを明確にする
マーケティング全般にいえることですが、まずはターゲットの明確化が大切です。YouTubeは膨大な数のユーザーが利用しているコンテンツなので、ターゲットを絞り込まなければ望んだ成果を得るのが難しくなります。
性別、年齢層だけでなく、職業や居住地、趣味、ライフスタイルなどを検討してペルソナ（架空のユーザー像）を具体化しましょう。
目標を設定する
具体的なペルソナを設定したら、YouTubeによってそのユーザーにどのようなアクションを起こしてもらいたいのかを決めます。
例えば動画を視聴してYouTubeチャンネルに登録してもらいたいのか、自社サイトにアクセスしてもらいたいのかなどです。ユーザーにどのようなアクションを起こしてほしいかを設定することで、動画の方向性が定まりやすくなります。
他のコンテンツと連携する
YouTubeマーケティングは、他のコンテンツと連携することで高い効果が期待できます。例えば動画内に自社サイトやランディングページのリンクを埋め込んだり、自社ブログ、他のSNSなどにYouTubeの動画リンクを貼ったりして情報を拡散しましょう。
定期的に動画をアップロードする
YouTubeマーケティングにおいて大切なのが、動画コンテンツを定期的にアップロードすることです。動画投稿が月に1回だけなど頻度が低いと、ユーザーの関心が薄れてしまいます。
特にチャンネル開設直後は露出を増やしてファンを獲得するためにも、こまめに動画を投稿してユーザーの興味をひきつけるようにしましょう。
良質な動画を作る
YouTubeマーケティングにおいて、動画はユーザーの次のアクションを起こすためのツールです。ただ見て終わるだけでなく、最後まで動画を視聴してもらった上で自社サイトへの訪問や商品・サービスの購入に繋げる必要があります。
一方的に説明するだけでなく、ユーザーの興味・関心をひく仕掛けを散りばめた良質な動画を作ることが大切です。
またYouTubeアナリティクスで動画の分析をして、より高いパフォーマンスが発揮できるように改善を継続することも忘れないようにしましょう。
サムネイルを工夫する
サムネイルとは、YouTubeのホーム画面や関連動画、検索結果画面に表示される動画のイメージ画像です。
ユーザーはタイトルとサムネイルから動画の内容を予測するので、「見てみよう」「面白そう」と思ってもらえるような目を引くサムネイルにしましょう。
またサムネイルに使用する画像やフォントなどは、自社のイメージに合わせて統一感を持たせることも大切です。
YouTubeマーケティングまとめ
YouTubeマーケティングの種類や成功のポイントなどについて解説しました。
近年、動画コンテンツは需要が拡大していて、YouTubeマーケティングは現代にマッチしたマーケティング方法として多くの企業が取り入れています。 しかしYouTubeマーケティングを実施するには知識とノウハウが必要です。闇雲に始めるのではなく、確かな戦略を持って効率的に実行しましょう 。
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