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そもそも何故アプリが人気なのか?
2018年、日本国内のスマートフォン利用率は77.9%に到達(MMD研究所調べ)。若い世代のみならず、シニア層もスマホを利用するようになった今、ユーザーとの接点を増やしたり、エンゲージメントを高めたりするうえで、アプリは欠かすことのできないツールになっています。
また、マーケティング調査会社のニールセンによると、スマートフォンアプリの利用状況について、次のことが明らかになっています。
“スマートフォンでは平均30個のアプリが利用され、利用時間の85%を占める”
このデータから、スマートフォンユーザーと接点を持ちたいのであれば、アプリというチャネルを用意することは極めて重要であることがわかります。
このようなデータを踏まえて、アプリを作ることにどのようなメリット・デメリットについて見ていきましょう。
アプリを作ることの「3つのメリット」
スマホ利用者の目につきやすい
スマホアプリの最も大きな特徴と言うと、やはり「スマホのホーム画面にアイコンが表示される」ということでしょう。ホーム画面にアイコンが表示されるということは、ユーザーからの認知度を上げることに加えて、常にアクセスしやすい状況を作り出すことに繋がります。
もちろん、Webサイトのショートカットもスマホのホーム画面に置くことはできますが、そのような使い方をしているユーザーは極めて少ないはず。アプリのアイコンが利用者の目につきやすい点は、アプリの最大のメリットと言えます。
アイコンのバッジを表示させて訴求できる
LINEなどのアプリを使ったことがある人にはお馴染みですが、アプリが通知を受信すると、アイコン上に「赤丸の数字(バッジ)」が表示されます。これは未読になっているお知らせの件数を知らせるもので、設定によっては、内容が確認されるまでバッジは表示され続けます。
ユーザーのエンゲージメントを高めやすい
アプリはWebサイトと比べて、レスポンスが高くなる傾向があります。だからこそ、ユーザーのエンゲージメントを高める仕組みとしては最適なツールといえます。
知っておきたい!アプリのデメリット
様々なメリットを兼ね備えたスマホアプリですが、もちろんデメリットも存在します。例えば、次のようなポイントが挙げられます。
最新情報が反映されにくい
アプリはWebサイトとは異なり、ダウンロードされて利用されるものです。そのため、アプリ自体にアップデートをかけても、それがユーザーのスマートフォンでアップデートされるまでは内容が反映されることがありません。
ベータ版などを公開している企業も散見されますが、それは綿密なスケジュールや戦略があってこそ。アプリの運用を考える上で、ユーザーに再インストールやアップデートしてもらうまでの道筋を立てることは極めて重要です。
SNS上で拡散されにくい
アプリはブラウザ上の表示とは異なり、即座に「いいね!」ボタンを押して内容を拡散することが難しい仕組みになっています。そのアプリを利用しているユーザーに対して影響力を発揮しやすい一方で、そこから第三者への拡散が難しい点は、アプリのデメリットと言えるでしょう。
拡散性を狙う上では、SNSとの連携も容易なWebサイトに軍配が上がりそうです。
このように一見、メリットの多いアプリですが、既にその領域はレッドオーシャン化していることを認識しなければなりません。
マーケターや企画担当の方は、次のような統計データの内容を押さえた上で戦略を立てる必要があります。
アプリ開発を検討する上で知っておきたい3つの統計データ
事実① 月に1回以上利用するアプリの数は30個
スマートフォンを持っている方であればイメージできると思いますが、スマートフォンのホーム画面で一度に視認できるアプリの数は10~20個程度です。だからこそ、日常的に起動するアプリの数も限られることになります。視聴行動分析サービスを提供するニールセンデジタル社の調査によると、ユーザー一人あたりが月に1回以上利用するアプリの数は30個ということが明らかになっています。
つまり、30個という枠に入ることのできなかったアプリについては、例えダウンロードされていたとしても一度も立ち上げられないことになります。この結果からは、一度アプリをダウンロードされても、何らかの動機づけがなければ継続的に利用させることは難しいことを示しています。
事実② コミュニケーション&エンタメ&検索系のアプリが半数を占める
上記と同じく、ニールセンデジタル社の調査では、次の事実が明らかになっています。
・月に31回以上利用されるアプリの20%は「コミュニケーション」分野のアプリ
・月に31回以上利用されるアプリの19%は「エンターテイメント」分野のアプリ
出典:スマートフォンでは平均30個のアプリが利用され、利用時間の85%を占める|ニールセンデジタル社
この他、eコマース分野のアプリは全体に占める9%となっており、既存アプリに取って代わる新アプリの開発を目指す場合には、競合リサーチを始めとした緻密な戦略構築が必要になることを示しています。
事実③ ユーザーの1割が所有するアプリはたった154種類しかない
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、調査対象ユーザーの1割超が所持するアプリ数は154に留まっているということがわかりました。Google PlayとiOS App Storeで提供されているアプリ数は600万本を超える中で(2018年時点App Annie調べ)、ユーザー全体の1割以上が共通して所有するアプリがたった154種類なのです。これはすなわち、ユーザーが興味を持って一度ダウンロードされても、興味を持ってもらえなかったり、目的を果たせなかったりすることで、大半のユーザーにはアンインストールされてしまうことを意味しています。
アプリは「Webサイト」や「ECサイト」とは異なり、ダウンロードされるまでの動線が限られていることが特徴です。アプリ単体では集客を行うことはできないため、広告やSNSを有効活用し、そのアプリの魅力や価値を正しくユーザーに伝えてダウンロードしてもらう必要があります。
出典:スマートフォンの実利用データにみる人々のインターネット利用の実態| 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
では、具体的にどのようなアプリがユーザーに支持されているのでしょうか?次の成功事例からは、そのエッセンスを垣間見ることができるはずです。
アプリ開発の「成功事例5選」
Webサイトと比べると、プッシュ型で様々なマーケティング施策を展開できるスマホアプリですが、どのような成功事例があるのでしょうか?今回は、ダウンロード数が100万回を越えた5つの事例をご紹介します。
1つ目は、回転寿司チェーンの「スシロー」。「長時間の待ち時間を解消したい…」というユーザー心理にもマッチした他、会計からの割引にも使えるポイントも管理できるアプリです。もちろん、お持ち帰りの予約もでき、ポイントが貯まれば可愛い特典も。会員のランクアップ制度の設計にも「鉄火巻ランク」「軍艦ねぎ鮪ランク」といった工夫が施されており、友人や家族で話題にされる仕掛けが満載です。「スシロー」のアプリはリリース後、1ヶ月で10万以上のダウンロードを達成し、今も多くのユーザーに活用されています。
2つ目は、ドミノ・ピザの「Domino's App」。GPS機能で取得した位置情報を元にピザの配達が依頼できたり、クーポン利用ができたり、ピザの注文には欠かせない機能が多数搭載。GPS機能と配達住所を結び付けたことで、自宅以外でも気軽に使えるようになった点は画期的です。
3つ目は、GEOの「ゲオアプリ」。お得なクーポンや店舗検索に加えて、在庫検索・レンタル履歴の確認まで一気通貫で行える当アプリは、累計ダウンロード数695万人(2018年9時点)となっています。各コンテンツのレビューも確認でき、GEOを利用するユーザーの体験価値を重視したつくりになっています。
4つ目は、500万ダウンロードを達成した日本最大のタクシー配車アプリ「全国タクシー」。このアプリの優れた点は、その機能のシンプルさ。クレジットカードなどを利用したネット決済も可能な一方で、配車後の現金決済も従来通りできるようになっています。アプリ上での決済が不安な方も気軽に利用できる点は、実はユーザーにとっての安心材料にもなっているのではないでしょうか。
5つ目は、Round1の「ラウンドワン公式アプリ」。ダウンロード後にすぐ使える割引券から、ボーリングのレーン予約など、「すぐにお得に遊びたい!」というユーザーのニーズに応えた設計になっています。累計500万ダウンロードを越えている点も、このようなユーザーのニーズにきちんと応えていることが影響しているはずです。
アプリ開発で失敗しないために…
「失敗」の定義は様々ですが、世界中で年間数千億件のアプリがダウンロードされている今、「ダウンロードされない」「ダウンロードされても、ほとんど使われない」という状態が大半を占めている事実は知っておかなければなりません。だからこそ、「想定していたユーザーに全く使われない」という状態に陥ることは、1つの失敗といえるでしょう。
重要なことは『ユーザーの利用メリット(≒提供できるベネフィット)』を徹底して考え抜くことです。そして、そのメリットを具現化するために必要なのが、目的にフィットする最適な開発パートナーです。スマホアプリは、ユーザーにダウンロードされて使われてからが本当のスタート。この点を忘れることなく、開発パートナー選びを進めていきましょう。