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DSPとは?-アドネットワークの誕生背景からDSPの理解を深める-

DSPという単語を耳にしたことはあるけれど、その意味や特徴はよく理解していないかも・・・という方のために、近年、急速に成長してきたDSPについて徹底解説いたします!特徴、メリット・デメリットなど、しっかりDSPについてよく理解しておきましょう!

目次

  1. DSPとは?DSPの誕生背景と役割

    1. DSPの前にまず、「アドネットワーク」を知る

    2. アドネットワークのメリットとデメリット

    3. DSPは何ができるのか?DSPの果たす役割を理解する

  2. DSPは何ができるのか

    1. DSPの仕組みとは?

    2. DSPの特徴は?

    3. DSPのメリット、デメリット

  3. 終わりに

DSPとは?DSPの誕生背景と役割

DSP(Demand-Side Platform)とは、広告主=「広告出稿者」が、広告出稿の費用対効果を高めるためのプラットフォームのことです。

アドネットワークが誕生したことで、広告主は複数の広告(=WEBサイトやソーシャルメディア、ブログなどの媒体)に対して、個別に広告掲載の契約手続きをとらなくても、まとめて広告の配信が取れるようになりました。しかし、それでも広告運用を全て手動で行うことはかなり大変です。DSPは、この運用の手間を減らすことができます。それでは、ここからDSPについて詳しくご紹介しましょう。

DSPの前にまず、「アドネットワーク」を知る

DSPを語る上で、アドネットワークの存在は欠かせませんので、まずは、アドネットワークについてご説明します。

アドネットワークとは、複数の広告媒体であるWEBサイトを集めて作られた広告配信用の「ネットワーク」のことを指します。ここに広告出稿の手続きを行うことで1度に複数の広告媒体に広告掲載を行うことが可能となり、複数の媒体に広告配信を行いたい広告主にとっては、アドネットワークを活用することで1つ1つの媒体に広告出稿の手続きをする手間を省くことができます。利用の際の手続きというのは、主にアドネットワークに対し、広告原稿を入稿し、入札を行うことで、そのネットワークに加盟している媒体にまとめて配信することが可能となる仕組みです。

現在、このアドネットワークはGoogle、Yahoo!、Microsoft、楽天など様々な企業が運営を行っています。

ちなみに、アドネットワークが誕生する以前のインターネット広告が始まったばかりの2000年頃には、複数の媒体に広告を掲載したい場合、広告主は1つ1つの媒体に出稿依頼を行わなくてはなりませんでした。これは、媒体ごとに広告費の支払い形態や入稿規定が異なり、更には自社にあった広告媒体を自ら探さなくてはならなかったため、大変な時間と手間を要するものでした。

アドネットワークのメリットとデメリット

アドネットワークが誕生したことで、広告主、媒体側の様々な課題が解決されていますので紹介します。

広告主は、複数の媒体に対し、”一箇所”へ原稿入稿と入札をするだけで広告が配信可能となり、大規模な配信が可能となりました。また、これまでは「打ち出した広告がどれほど効果を上げたのか」を表した数値=KPI (インプレッション、クリック数、CV、CVRなど)を計測する事ができず、配信した広告の効果を元に改善策を打ち立てることも難しい状態でしたが、アドネットワークがまとめて複数の媒体の広告効果の測定を行ってくれるようになり、広告主は計測データを得ることができるようになりました。

媒体側にもメリットがありますので、次に媒体側のメリットについて紹介します。
今までは媒体側へ広告掲載の依頼があると、媒体側は受注の手続きから掲載、運用までを全て行っていましたが、アドネットワークがそれらを一括で代行するようになったことで媒体側も手間が省けるようになりました。さらに、中小規模のサイトでもアドネットワークに加盟することでクライアント(=広告主)を獲得でき、また一つの広告枠に複数の広告掲載を行えるようになったため、広告枠に空きが出て収益が発生しない期間が生まれる心配も減りました。

しかし、広告の大量配信が可能となった一方で、評価の悪いサイトや自社が守りたいイメージとかけ離れた印象のサイトにも広告が自動的に掲載されてしまい、ブランディングの観点で悪影響となる恐れも生まれました。同時に、自社のターゲットが全くいない関連性の薄いサイトにも広告が掲載されるなど、広告配信の「無駄」も多くなってしまいました。

ここまでのアドネットワークのメリット・デメリットをまとめると、以下のようになります。

○メリット
【広告主側】
・入稿、入札をするだけで複数の媒体に一度に広告を出稿できるため、
  個別に媒体と契約する場合と比べ手間が省ける。
・多数のWEBサイトを媒体とするため、多くのトラフィックを獲得することができる。

【媒体側】
・アドネットワークを運営する事業者が広告の受注や掲載の手続きを代行してくれるため、手間が省ける。 

○デメリット
・広告主側が、殆どの場合掲載媒体を選ぶことができなかったため、
 ブランディングの観点から広告掲載を避けたいサイトにも広告が載る事態が起きる。
・ターゲットがいない媒体に広告が掲載されてしまう恐れがあり、
 広告の「無駄」が発生する。

このような背景がDSP誕生に影響しているのです。

DSPは何ができるのか?DSPの果たす役割を理解する

ここまで、アドネットワークの誕生によって複数媒体への広告配信が一括で行えるよう便利になったこと、また、その一方で大量配信と引き換えにターゲットを絞った的確な広告配信ができなくなったことなどをご説明してきましたが、その中で、DSPはどんな役割を果たしているのでしょうか。

それは、アドネットワークだけでは不足していた『適切なターゲットに広配信をすること』にあるのです。
DSPは、アドネットワークだけで大量配信を行った際に発生する、「広告の無駄」を無くし、広告出稿の費用対効果を高めます。

では、DSPは何ができるのか。その具体的な仕組みはどうなっているのか。

次の章でご紹介していきます。

DSPは何ができるのか

DSPは、複数あるアドネットワークやアドエクスチェンジ、SSPなどに広告配信を可能とします。つまり、運用コストを下げて、より効率的に広告配信ができるようにするための入り口となるのがDSPです。

イメージとしては、DSPというプラットフォームを通して、アドネットワーク、アドエクスチェンジ、SSPといった、より広告配信の工数を減らす・効果を最大化するツールを活用することができる、といった構図になります。
 
また、広告配信はこれまで枠を購入して、『枠単位で配信を行う』ものでしたが、DSPはターゲットでの配信設定が可能なため、『人単位で配信を行う』ことを可能にしました。これにより、例えば、性別、年齢、趣向などの属性で明確なターゲット設定を行っている場合、それらのユーザーに的確に広告配信を行うことができるため無駄な配信をせずに高い効果を見込むことができます。

このように便利なDSPは、ターゲットの設定を行えば、あとは自動的に最適な広告配信を行ってくれます。広告主の手間を減らすことができ、高い効果が見込める広告配信プラットフォーム。それがDSPです。

DSPの仕組みとは?

では、なぜDSPはターゲットを絞った効率的な広告配信ができるのでしょうか?
DSP会社は、主に2通りの手法で得た情報から、ユーザーにセグメントを掛けています。
 
1. アンケートなどユーザーから直接得た属性情報
2. Cookieから得る、ユーザーのサイト閲覧履歴などの情報

このうち、2に関してはユーザーがどのようなサイトを訪れる傾向にあるのかというCookieから得られる情報を元に、そのユーザーの属性情報を推察して蓄積したデータの為、1よりは精度の低い情報になります。

この蓄積されたユーザーの属性情報や蓄積手法などは、DSP会社によって異なるため、DSP導入を検討する場合は選考基準として考えておくとよいでしょう。

DSPの特徴は?

前述のとおり、DSPは設定したターゲットユーザーに対し、自動でピンポイントに広告配信を行えるという点が特徴です。具体的には以下のようなことが可能です。

・ターゲットを絞った、無駄の少ない配信が可能
・複数のターゲティングで広告効果の増大を見込みたいという場合に有効
・DMP(※3)と連携することで、さらに詳細なターゲティングが行える


一点注意したいのが、DSPは同じターゲティングを行っていても、DSP会社によって得られる効果が違うという点です。
これは、そのDSP会社によって保有しているアドネットワークや媒体、アルゴリズムなどが違うために起こります。
 
※3 DMP (=Data Management Platform)・・・インターネット上のサーバーに蓄積された、様々な情報=ビッグデータを一元管理・分析して広告配信などに活用するプラットフォームのこと。蓄積される情報は、データ提供をおこなう企業が保有しているユーザーの年齢・性別・関心からWEBサイト内の行動履歴といった、第三者企業の「公開情報」と、企業が自社で保有しているユーザーの基本情報や購買履歴、興味関心などの「非公開情報」とがあり、前者をマーケティングに活用する仕組みを「オープンDMP」、後者を活用する仕組みを「プライベートDMP」と呼ぶ。

DSPのメリット、デメリット

そんなDSPにも、メリットとデメリットの両方が存在します。以下に、それらをまとめますのでご参照ください。

○メリット
 ・広告を「誰に見てほしいのか」という軸でターゲット属性を絞って配信を行える
 ・自動で膨大な量のデータを解析し、最適な広告配信を行ってくれる
 ・細かい設定が可能なDSPでは、特定のジャンルの媒体に絞った配信を行うなど、
  広告主の細かなニーズも叶えられる

○デメリット
 ・広告費以外にも、DSPの利用料金・手数料がかかる
 ・広告の配信先が公開されず、不明であること

以上のように、一般的には、DSPを使うためには広告出稿の費用だけでなく、DSPの利用料金も追加で発生しますので注意が必要です。
また、アドネットワークがクリック課金やインプレッション課金である事に対し、DSPは基本的にインプレッション課金のみとなります。
「どの媒体の、どの広告枠に広告配信が行われるか?」という、配信先が選べないという点では、単にアドネットワークを使う場合もDSPを通して配信を行う場合も同じです。DSPは、「枠」ではなく「人」でセグメントを掛けることが可能ですが、枠の選択はできません。

終わりに

DSPは、広告主が複数のアドネットワークやアドエクスチェンジ、SSPなどへ広告配信することを可能としており、これにより広告をまとめて複数の媒体に配信できるようにしています。特徴的なのは、その大量配信に加え、顧客属性でターゲットを絞った費用対効果の高い広告配信を同時に実現している点です。ここまで紹介した内容でおわかりのように、DSPは、『広告主が、広告出稿の費用対効果を高めるためのプラットフォーム』と言えます。

マーケティングのサプリ編集部

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